動画視聴から購入へ。美容・ファッションが牽引するSNSコマースの現在地
TikTokの運用やインフルエンサーマーケシングを手掛ける 株式会社ZIK は、全国の15~30歳の男女300名を対象に、TikTok Shopの認知・利用実態についての調査を実施、内容を公表した。
調査結果によると、Z世代を中心に、SNSはもはや情報収集の場にとどまらず、購買行動と直結する存在になりつつあることが浮かび上がってきた。その象徴ともいえるのが、動画視聴の流れのまま商品購入が完結する 「TikTok Shop」 の浸透だ。ショート動画を通じて商品を体験的に理解し、その場で購入できる導線は、従来のECとは異なる魅力を持つ。
全国の15〜30歳の男女300名を対象に実施された今回の調査では、TikTok Shopの利用経験があると回答した人は19.33%にとどまったが、約2割という数字は一定の関心を集めながらも、まだ浸透の初期段階にあることを示している。性別で見ると男性の利用者がやや多く、今後の拡大余地が大きいサービスであることがうかがえる。
認知経路については、TikTokアプリ内で完結している点が特徴的だ。インフルエンサーの投稿やTikTok広告を通じて知ったという回答が多く、友人・知人の紹介やニュース記事といった外部メディア経由は限定的だった。これは、UGCと広告が混在するTikTok独自のエコシステムが、そのまま購買導線として機能していることを意味している。
一方、購入ジャンルでは 「コスメ・美容」 と 「ファッション」 が突出しており、Z世代の日常消費と親和性の高いカテゴリーが中心となっている。動画によって使用感や着用イメージを具体的に確認できる点が、購入の後押しになっていると考えられる。一方で、食品やガジェットといった実用系ジャンルも一定の支持を集めており、今後のカテゴリ拡張の可能性も見えてきている。
利用頻度は月1回程度が最多で、全体としてはライトユーザーが中心。毎週のように使うヘビーユーザーはまだ少数派であり、TikTok Shopは 「たまに使う便利な選択肢」 として受け止められている段階であることがうかがえる。
また利用理由として多く挙げられたのは、決済や配送の手軽さ、そして価格の魅力だった。加えて、動画を見ながら買い物を楽しめるというエンタメ性も、一定の支持を得ている。買い物そのものがコンテンツ体験の延長線上にある点は、他のECにはない一番の特徴かもしれない。
今回の調査から、Z世代全体における 「TikTok Shop」 の利用率はまだ高いとはいえないものの、実際の利用者層では美容・ファッションを中心に、利便性と価格、そして動画体験のバランスが評価されていることが明らかになった。今後は、レビューや口コミの信頼性向上、カテゴリの広がりを通じて、単発利用から継続的な購買習慣へと育てられるかが成長の鍵となりそうだ。今後の動向にも注目していきたい。
株式会社ZIK
https://zik-inc.co.jp/