学校側が見直したトランスジェンダーの生徒に関するガイドライン
このデモを受けて、テンプル地区教育委員会の広報担当者は「生徒たちには平和的な手段で抗議を行う権利があります」と述べながらも、生徒たちが許可なしに教室を離れることは規則違反であり、何らかのペナルティが科される可能性があることに言及。生徒と学校関係者の安全を確保するために校内の警備体制を強化したことも認めた。
その後、テンプル高校側はティノコさんと両親を交えて話し合い、トランスジェンダーの生徒に関するガイドラインを再確認したという。見直したポイントは主に3つ。生徒は法律上の姓(名字)で認識されなければならないこと、生徒は学校が定める服装規定を守らなければならないこと、そして学校側は生徒のプライバシーを保護するため、「性別を問わない」トイレ、更衣室などが用意しなければならないことだ。
「すべての人が一丸となって、お互いのために立ち向かう姿を見て、本当に誇りに思いました。支持に次ぐ支持です。本当に素晴らしかったです」とティノコさん。
そもそも学校側が急にティノコさんの女子更衣室の使用を禁じた背景には、女子生徒か保護者からの苦情があったのではないかと推測される。彼女らが更衣室で着替えることに不安を覚えたとすれば、彼女らへの配慮もまた必要であることは言うまでもない。
現在、トランスジェンダーへのあからさまな差別意識を自覚する人は少ないだろう。仮に偏見を持っていたとしても、少なくともそれを表に出す人はさらに少ないと想像できる。だが、もし自分が不安や不快に感じた時も、あるいは不便を強いられた時も、それでも他人の権利を尊重することができるか? 我々が問われているのはそこではないだろうか。