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文:窪田みちる
世界各国で普及が進んでいる電気自動車。温室効果ガスである二酸化炭素の排出量が少なく環境に優しい反面、ガソリン車に比べて「航続距離が短い」「充電に時間がかかる」といったデメリットを抱えている。
そんな中、米国インディアナ州で進行中のあるプロジェクトが、大きな注目を集めている。
低コストで高い充電効率
インディアナ州交通局は今年7月、ワイヤレス充電可能なコンクリートによる舗装道路の開発プロジェクトを発表した。このプロジェクトはパデュー大学とドイツのMagment社と共同で実施し、全米科学財団が資金提供を行う。舗装に使用するコンクリートは磁化された特殊なセメントが含まれており、電気自動車はこの道路を走行するだけで充電が可能だという。
走行中に充電可能な道路の開発は、長年にわたりさまざまな国や地域で検討されてきたが、莫大なコストが懸念材料となっていた。そこで今回、Magment社は現地で調達できるフェライト粒子を通常のコンクリートに練り込む方法を採用。『SingularityHub』によると、標準的な道路建設コストを保ちつつ、最大95%の無線伝送効率を達成できるとしている。
インディアナ州交通局は試験を3段階で進めるとしており、第1段階と第2段階ではパデュー大学の実験室で舗装のテストや分析、最適化を実施。最終段階では約400メートル区間の舗装した道路を建設し、200キロワットの高出力で稼働する大型トラックによる充電試験を行う予定だ。これらの試験に成功すれば、州内の公共高速道路の一部で電力を供給することになるという。
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