ITEM | 2023/09/01

破産した人気E-Bikeブランド「VanMoof」を英・マクラーレン傘下のLavoieが買収すると発表

文:赤井大祐(FINDERS編集部)
9月4日以降に続報か
破産によって存続が危ぶまれていたオランダのE-Bikeブ...

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文:赤井大祐(FINDERS編集部)

9月4日以降に続報か

破産によって存続が危ぶまれていたオランダのE-BikeブランドVanMoofが、英のマクラーレン・アプライド傘下にて主に電動スクーターなどを手掛けるE-モビリティ企業Lavoieによって買収されると発表された。

『ロイター』によると、買収の条件などはまだ明らかになっていないようだが、マクラーレン・アプライドのニック・フライ会長は「短期的には数千万ポンドの投資が必要になるだろう」と語っており、破産管財人を務めたヤン・パドバーグ氏とロビン・デ・ウィット氏は、「9月4日以降、VanMoofのライダーに提供されるサービスの継続について詳細が発表される」と声明で述べたということだ。

またVanMoofは今後自社の店舗での機体の販売を終了し、他社の小売店での販売に専念するという。

2009年に登場して以来、その高いデザイン性とブランド力でE-Bike市場の中で存在感を放ってきたVanMoof。2021年には160億円もの資金調達を実施するなど、E-Bikeブランドの牽引役としての期待も大きかった。

一方で、本体に使用されている部品のほとんどが自社設計であることなどから、修理やサポート体制が多大なコストととしてのしかかり、同時にユーザーからはその体制の不備が多く指摘されてきた。そうして2022年ごろから経営危機が囁かれたのち、今年7月に破産したというニュースが発表された。

発表後、自社設計ゆえに修理が他社のサイクルショップで行えない点や、自転車のロックなどを行う連携アプリのアップデートが止まってしまう可能性など、E-Bikeブランドならではの問題点も露呈した。

こういった問題を抱えながらも、ユーザーからのブランド愛は強く、2022年には新モデルである「S5」「A5」も発表し期待を集めた中での破産発表だったため、本当に倒産してしまうのではないか?という声もあがっていた。

今後の経営方針についてなどはまだ発表されていないが、今回のニュースはVanMoofユーザーにとっては胸をなでおろす発表となったに違いない。