EVENT | 2023/08/28

ウェブサイト閲覧者の3人に1人が「イライラ」を感じコンバージョンが低下している…把握しにくい顧客フラストレーション点検のススメ

ウェブサイト、ECサイト、アプリなどの顧客体験を分析するサービスを提供するContentsquare(コンテンツスクエア...

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ウェブサイト、ECサイト、アプリなどの顧客体験を分析するサービスを提供するContentsquare(コンテンツスクエア)は、デジタル顧客体験(CX)の最適化に取り組む実践者たちが登壇するカンファレンス「CX Cicrle Tokyo 2023」を2023年6月に開催した。

本イベントにはAIからデジタルアクセシビリティ、検証まで、CX(顧客体験)戦略やイノベーションに焦点を当て、業界トップクラスのスピーカーが多数登壇した。

FINDERSでは去年11月に行われた「CX Cicrle Tokyo 2022」の書き起こし記事も掲載しており、今回もContentsquare Japanから記事提供をいただき掲載する(本記事は全8回中の5回目。記事一覧はこちら)。

本記事では、Contentsquare Japan カントリーマネージャーの伊奈憲一郎氏がコロナ禍を経てウェブサイトのトラフィックが増えているにも関わらずコンバージョン率が低下しているデータを示し、そこには「ウェブサイト訪問で感じるフラストレーション」が大きく作用してしまっていると明かす。

なお「CX Cicrle Tokyo 2023」の模様は無料配信されており、登録をすれば視聴が可能。視聴登録はこちらから

デジタル顧客体験は多様化し、より複雑になっている

「CX Circle Tokyo 2023」のテーマであるデジタル体験の現状とトレンドについてお話しします。

最近、私の家族が集まると、こんな光景です。もっとコミュニケーションをしなければと思う一方で、家族皆、スマートフォンが大好きです。それぞれにさまざまな目的があって、スマートフォンを通じて多様な体験をしています。例えば、大人は家族旅行の行き先を調べ、好きなブランドのショッピングをする、子どもたちは動画を鑑賞するといったように、それぞれの目的で好きに楽しみます。

こういったサービスを提供しているのは、ブランド企業の皆さんです。消費者に対して、より高い顧客体験価値や顧客体験そのものを提供しています。そして、これからもさらに顧客体験の向上を追求していく必要があります。

ウェブサイト訪問者の3人に1人が何らかのフラストレーションを感じている

Contentsquareはグローバルで1000社以上に利用されており、毎年利用データを分析する「デジタルエクスペリエンス・ベンチマークレポート」を発表しています。その最新の調査で判明したのは、スマートフォンでウェブサイトを利用しているユーザーの3人に1人はフラストレーションを感じているという事実です。

具体的には、ページ読み込み速度の遅さやレイジクリック(たとえば、ボタンに見えるオブジェクトをクリックしても反応が無く、イライラしながら同じクリックを繰り返す)、特定の入力フィールドへの頻回入力などが挙げられます。こういった行動が3回の訪問に1回は出現しています。

コロナ禍を経たトラフィック増大に反して、コンバージョン率が低迷している

また、トラフィックの観点では、コンバージョン率が低迷していることが分かりました。コロナ禍を経て、オンラインのトラフィック自体は上がっているにもかかわらずです。デスクトップとモバイルの比率では、デスクトップよりもモバイルの方が圧倒的に伸びています。しかし、モバイルのコンバージョン率は2%以下と低いのです。

顧客体験のブラックボックス化を脱するために

なぜこういった状況になっているのでしょうか? ブランド企業にとって、オンラインの顧客体験がブラックボックスになっていることが原因だと考えています。

オフラインとオンラインと比べて考えてみましょう。オフラインでは、顧客の商品やサービスへの反応が目に見えるので分かりやすいですよね。Tシャツを見て「めちゃくちゃいい!」と共感しているとか、どのサイズにしようか迷っているとか、店員さんと話したいけれど話せないなど。顧客がフラストレーションを感じていたら気付くことができます。

しかしオンラインでは、コンバージョン率は確認できても、顧客のフラストレーションは分かりづらいのではないでしょうか。オンライン上で、全ての顧客の行動を把握するのは非常に難しいです。コロナ禍の影響で、多くの企業がオンラインの施策に積極的に取り組み、コンテンツが増えました。機能や決済手段も拡充されました。そして、ユーザーは好きなデバイスで、好きなタイミングで、好きな目的でアクセスしてきます。その数が、月にして数億、数千万、数百万……。これだけのセッションやページビューにおいて、カスタマージャーニーを把握していくのは困難です。

これがデジタルマーケティングのテクノロジーの複雑性を加速させている要因です。マーケティング・オートメーションやパーソナライゼーション・エンジンによって、お客さんの一人ひとりの顧客行動がより最適化されつつあるという状況ではありますが、個々の顧客体験単位ではそれが良くなっているのか悪くなっているのか、把握しづらいのではないでしょうか。

だからこそ、あらためて顧客目線で、それぞれの方々の行動を把握していく必要があると考えています。なぜその顧客がウェブサイトに訪問してくれたのか、どういう目的なのか、なぜ離脱してしまったのか。その購買行動、購買体験は良かったのか悪かったのか。これらを分析し、理解し、顧客体験価値あるいは顧客体験自体を改善していく必要があります。

Contentsquareはこのような課題に対して強力な支援をしていきます。全てのUXに関わる人々、マーケティングチームやデザイナー、フロントエンド技術者に対して、直感的なUIとパワフルなAIを活用して、改善に関するインサイトを提示していきます。AIについては、ジェネーティブAI(生成AI)が注目されています。Contentsquareもこの領域に積極的に取り組んでおり、プロンプトを通じてAIが心強いパートナーになっていくでしょう。

「Experience-led Growth」CXへの投資は大きな価値をもたらす

Contentsquareのユーザーは、大きなビジネスインパクトが得られる数多くのインサイトを見出しています。第三者機関であるフォレスター社の調査でも、Contentsquareが高いROIをもたらすことが報告されています。

また、最近のマッキンゼー社の調査によると、NPS(顧客ロイヤルティの指標)の値で比較した場合、CXに取り組んでいる企業と遅れている企業では、5年間で売上成長率において2倍の差が出ています(出典:Experience-led growth: A new way to create value, McKinsey & Company)。複雑な顧客行動の時代において、顧客個々の行動をしっかりと把握して、顧客体験を重視する必要があります。

この「Experience-led Growth」の概念を、あらゆるブランド企業が実践し、その実利を手にできるように支援していくことがContentsquareのミッションです。


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