EVENT | 2023/08/21

世界的な「コンテンツ閲覧時間の減少」を受けてますますデジタル顧客体験の分析・改善が重要に。高機能な分析ツール「Contentsquare」は何ができるのか

ウェブサイト、ECサイト、アプリなどの顧客体験を分析するサービスを提供するContentsquare(コンテンツスクエア...

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

ウェブサイト、ECサイト、アプリなどの顧客体験を分析するサービスを提供するContentsquare(コンテンツスクエア)は、デジタル顧客体験(CX)の最適化に取り組む実践者たちが登壇するカンファレンス「CX Cicrle Tokyo 2023」を2023年6月に開催した。

本イベントにはAIからデジタルアクセシビリティ、検証まで、CX(顧客体験)戦略やイノベーションに焦点を当て、業界トップクラスのスピーカーが多数登壇した。

FINDERSでは去年11月に行われた「CX Cicrle Tokyo 2022」の書き起こし記事も掲載しており、今回もContentsquare Japanから記事提供をいただき掲載する(本記事は全8回中の4回目。記事一覧はこちら)。

本記事では、Contentsquareの機能や特徴について、シニア・ソリューションコンサルタントである沖本篤史氏、方煥杰氏の両名が語った。

なお「CX Cicrle Tokyo 2023」の模様は無料配信されており、登録をすれば視聴が可能。視聴登録はこちらから

減少するコンテンツ消費時間のなかで求められるデジタル体験分析

このセッションでは、Contentsquareというソリューションにどのような特徴があるのか、具体的にどんな機能があって、どんな分析ができるのかを解説します。Contentsquareは今なお進化し続けているソリューションでもあるので、最新の機能アップデートも紹介します。

上図は、我々Contentsquare社が年に1度発表している「デジタルエクスペリエンス・ベンチマークレポート」の最新版から引用したデータで、コンテンツの消費指標を示しています。このレポートでは、Contentsquareを利用している全世界約3000のサイトを基に、カスタマージャーニーやCXのトレンドを分析しています。

コンテンツ消費指標とは、ページビュー、滞在時間、スクロール率を指しています。それらを昨年度(2022年版)と本年度版で比較した数値を並べてみました。モバイル、デスクトップともに、いずれの指標もマイナスです。ウェブサイトの訪問者が見るコンテンツの量、ウェブサイトに滞在している時間などがいずれも短くなっています。

上図右側には、1ページ当たりの平均閲覧時間を記載しています。この数値も前年度と比べて短くなっています。モバイルでは34秒、デスクトップでは69秒。この限られた時間で、いかに効率的に商品やサービスの価値をユーザーに伝えることができるのか。より短時間での勝負が求められます。

こういった状況に対応していくために、より深いユーザー理解が必要になります。そして、ユーザーの嗜好も短いサイクルで変化していくため、デジタル接点の運営者はそれを素早く捉えて、スピーディーにCX施策に反映しなければなりません。さらには、ユーザーが気持ちよく買い物をできるように、フラストレーションが起きないようにしていくことも重要でしょう。

顧客目線でデジタル体験の“What”と“Why”を分析できるContentsquare

こうした市場のトレンドを踏まえた上で、Contentsquareの特徴を紹介します。

まず、顧客データの収集です。行動データに類するものは、クリックの操作だけではなく、スクロール、指のタップ、スワイプの動きといった細かい情報を自動的に集めます。さらに体験データとして、ユーザーがイライラを感じているクリックやスクロール、ページ読み込み速度、エラーも収集します。そして、それらの情報を直感的に可視化する機能を備えています。

もちろん可視化するのは出発点にすぎず、CX改善のための具体的なアクションにつなげなければなりません。Contentsquareはアクションにつながるようなインサイトを見つけるための機能を豊富に備えています。

Contentsquareのソリューションとしての特徴を3つ挙げます。1つ目は「マルチチャンネル」です。ウェブサイトの分析だけではなくて、スマートフォンアプリの分析も可能です。次に、「ワンプラットフォーム」です。データを集めて、可視化して、インサイトを見つける。これらが1つのプラットフォームで完結できるからこそ、PDCAサイクルをより速く回すことができます。そして、3つ目。Contentsquareは、簡便な操作性を特徴としているため、分析担当者だけのツールになりません。ステークホルダー全員が活用できます。マーケティングチームはもちろん、広報、マーチャンダイジング、IT担当など、皆がContentsquareでデータを見て、同じ目線で話すことが可能になります。

ユーザーの行動や体験を把握、分析できる機能群

それでは次に、Contentsquareの機能についてお伝えします。まず、分析機能ではウェブサイトにおけるユーザーの導線を分析するジャーニー分析、コンテンツ単位でより深く分析をするゾーニング分析、そしてさらに深くユーザー一人ひとりのセッションにおける行動を、あたかもそのユーザーの画面操作をビデオで録画したかのように再生して見せるセッションリプレイの機能があります。

次に、さまざまなモニタリング機能も備えています。ユーザーの目には見えない、裏側で起きているエラーの発生状況と影響度を把握できるエラー分析、ウェブサイトの表示スピードを分析するスピード分析があります。スピード分析は、仮想環境から定点的に毎日チェックする機能を備えつつ、一人ひとりのユーザーが実際に体験したページ速度をモニタリングするリアルユーザーモニタリング機能も有しています。そして、ウェブサイトで起きている課題を定量化して、対応優先度を判断する意思決定を支えるインパクト分析の機能も有しています。

最後に紹介する機能はAIを活用した顧客体験分析です。CS Insightという機能では、Contentsquareが取得するさまざまなログを活用して、AIが各ページの改善効果をスコアリングします。これによって、どの改善施策の効果がどれほどなのかを見込めるというわけです。その他、ダッシュボードを作って複数のメンバーで主要なKPIを共有できる機能、特定の値の急な動きをAIが検知するAIアラートという機能もあります。検知したときには、担当者にメールで通知されます。

また、100以上のテクノロジーパートナーとの連携も強化しています。例えばマーケティング・オートメーション(MA)やカスタマーエンゲージメント・プラットフォーム(CEP)の領域では、Brazeと連携をしています。Contentsquareが捉えるサイト上でのユーザーの不満をリアルタイムにBrazeに渡し、Brazeで組んでおいたジャーニーに従ってフォローアップのコミュニケーションを走らせることができます。

進化しつづけるContentsquareの機能:最新のアップデートを解説

最後に、2023年6月に行われた主要な機能アップデートの中から3つを紹介します。

1つ目はベンチマーク機能です。従来のContentsquareでは、自社サイトのデータを比較することができましたが、新しいベンチマーク機能では、Contentsquareを利用している他の競合企業の匿名データを活用し、業界平均との比較ができるようになりました。自社のコンバージョン率が業界平均と比較して良いのか悪いのか、リアルタイムに把握した上で、日々の運用を進められます。

2つ目の新機能は、モバイルアプリの分析に対応するCS Appsの強化です。従来のゾーニング分析、ジャーニー分析、セッションリプレイに加えて、APIエラーやクラッシュエラーをモニタリングする機能を追加しました。

3点目は、小売業向けの新たな機能であるCS Retail Media(CS リテールメディア)です。小売業のECサイトにおいて、コンテンツ単位の分析だけではなく、商品単位あるいはブランド単位の分析ができるようになります。さらに、そのデータをブランド企業側と共有できます。最近注目されているリテールメディアの運用を加速させるソリューションになっています。

これらの最新アップデートについては、日本語ウェブサイトでも詳しく紹介しています。

https://contentsquare.com/jp-jp/summer-product-release-2023/

また、日本語ウェブサイトでは、Contentsquareの詳しい機能(こちら)や事例(こちら)も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


「CX Cicrle Tokyo 2023」の記事一覧はこちら