文:山田山太
人類のパートナーとして長い歴史を歩んできた犬。盲導犬や警察犬などの存在からもわかる通り、賢い動物だ。
ただそんな賢さが仇となってか、飼い主の許可なく一人で遊びに出かけてしまう犬もいるようだ。
家から一人で遊びに来たシェパード
カナダ・マニトバ州ウィニペグにある、24時間営業の犬のデイケアセンター「ハッピーテイルズ・ペットリゾート&スパ」は一時的に犬を預けておくことが出来る施設で、いわば犬の保育園だ。このデイケアセンターで働くマーティ・キャリエールさんは、10月17日早朝、店番をしながら、忙しくなる日中に向けて仕事の準備を進めていた。
すると6時30分頃、マーティさんは1匹の犬が店舗内に入ろうとしていることに気がついた。「普通は飼い主と犬が一緒に入ってくるのでで、飼い主を待っていたのですが、なかなか飼い主は現れず、犬は鼻でドアを突いていました」と『The Dodo』の取材に答えるマーティさん。
不思議に思い様子を見に近づくと、その犬は、週に3、4回はこのデイケアセンターで過ごす常連のシェパードミックス犬のジェム(5歳)だと分かった。驚いたマーティさんはドアを開けて、「ジェム、入っておいで」と声を掛けると、ジェムはすぐに駆け込んできた。しっぽを振って遊ぶ気満々だったという。
その後、マーティさんはジェムの飼い主に連絡すると、飼い主は急いで迎えにやってきた。どうやら家の門が開けっ放しになっていたため、ジェムがそこから脱走して1人で歩いてここまでやってきたとのこと。『CTVNews』によると、家からこのデイケアセンターまで5ブロックも離れているというから驚きだ。
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