空の旅に欠かせない客室乗務員の仕事。その献身的な姿勢は、ストレスの溜まりやすい空間を快適に過ごす手助けをしてくれる。
そんな客室乗務員の1人が行った機内アナウンスのスピーチが今、多くの感動を呼んでいる。
新型コロナウイルスの影響でレイオフ
アメリカン航空で客室乗務員として働くブレアンナ・ロスさん(29歳)は9月28日、アメリカ・フロリダ州ジャクソンビルからテキサス州ダラスへと向かう飛行機に搭乗していた。この日はブレアンナさんにとって、客室乗務員としての最後のフライトだった。
新型コロナウイルスの影響を受けたアメリカン航空を含む多くの航空会社では、コスト削減のためレイオフ(一時解雇)が行われており、ブレアンナさんもその対象となっていたのだ。
ブレアンナさんはフライト中、最後の機内アナウンスを終えると、おもむろに乗客、同僚へ感謝を伝えるスピーチを始めた。
「今日のフライトで皆様の親切に心から感謝します」「当初、私にとってこの仕事は、大学を卒業してすぐに就いた仕事への不満に対する逃げ道にすぎませんでした。でも、私に多くの機会を与えてくれて、心の底から愛することができる仕事へとなっていきました」と、客室乗務員の仕事に就くこととなった経緯を話すブレアンナさん。
「行く機会がないと思っていた場所や、知らなかった場所に行きました」「たくさんの人々と出会い、これから先も長く付き合っていく友人たちができました」「私は仕事の中で知り合う乗客の方々や、同じ乗務員のみんなを愛しています」と、仕事を通じて得た出会いや経験が自身にとっていかに大切なものとなったかを語った。
そして最後に、「今、世界ではさまざまなことが起きているので、小さな行動が次の人にどれだけの影響を与えるかわかりません」「お互いに親切にして、みんなに思いやりを持って、自分と他人を受け入れて生きて下さい」と訴え、「また空でお会いできる日まで、体調に気をつけてお過ごし下さい」 「今まで私とフライトを共にしてくれたみなさまに感謝を伝えたいです」と締めくくった。
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