文:汐里
イタリアの高級ブランド「グッチ」が今年、ダウン症の女性をモデルとして起用し話題となったのは記憶に新しい。
そしてまた、ダウン症のモデルが史上初となる新たな展開を見せ、注目を集めている。
「Obagi」の多様性促進プロジェクトに起用
世界的なスキンケアブランド「Obagi」は、多様性に関する世界的な対話を促進し、すべての個人の中にある美しさを見極めるための意識的な選択ができるようにすることを目的としたプロジェクト“SKINclusion”を展開している。
今月1日、同プロジェクトに米国ミズーリ州チェスターフィールド出身のダウン症モデル、グレース・ストローベルさん(24歳)が起用されることが発表された。ニュースリリースによると、米国でスキンケアブランドがダウン症モデルを起用することは史上初だという。
Obagiの社長、ジェイミー・キャッスルさんは「グレースさんをObagiの家族として迎え入れたいと思いました。彼女は優雅さ、ユーモア、野心、そして決意を持って、障害者に対する世間の見方を変えようと活動しています。彼女の成功は、すべての人の障害者に対する認識と受容を促進するでしょう。彼女が進む道のりのパートナーとして我が社を選んでくれたことに興奮しています」と述べている。
グレースさんも「私にとってこのパートナーシップは世界を意味します。Obagiが表現するものが大好きなので、今回、SKINclusionのアンバサダーを務められることにワクワクしています」と興奮を隠しきれない様子だ。
グレースさんはアパレルブランド『アリヴィア』の2020年春コレクションの顔に抜擢されるなど、現在3つのエージェントと契約し、モデルとしてのキャリアを積み上げている。
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