このまま14日間センサーをつけっぱなし。長時間の水濡れなどは非推奨なので、長湯する場合は腕を上げておく必要がある。
高須正和
Nico-Tech Shenzhen Co-Founder / スイッチサイエンス Global Business Development
テクノロジー愛好家を中心に中国広東省の深圳でNico-Tech Shenzhenコミュニティを立ち上げ(2014年)。以後、経済研究者・投資家・起業家、そして中国側のインキュベータなどが参加する、複数の専門性が共同して問題を解くコミュニティとして活動している。
早稲田ビジネススクール「深圳の産業集積とマスイノベーション」担当非常勤講師。
著書に「メイカーズのエコシステム」(2016年)訳書に「ハードウェアハッカー」(2018年)
共著に「東アジアのイノベーション」(2019年)など
Twitter:@tks
スマホでデータが取得できる「フリースタイルリブレ」を試す
写真提供:井内育生
二の腕あたりに針を刺し血糖値を常時モニタリングする「フリースタイルリブレ」というガジェットを、ここ数日つけて生活している。医療機器だが、家電量販店で7500円ほどで販売されていて誰でも買える。身体に針を刺すときに痛みが出ることもあるし、2週間で自動的に機能を停止してしまう使い捨てのガジェットだ。
友人が興味本位でつけはじめて面白そうだったので、背格好がわかる知人何人かに声がけして、一斉に測り始めてTwitterでデータを共有したらより興味深いと考え、15人ほどで一斉にセンサーをつけて「#NT血糖値観察会」というタグで結果を報告し合ってみた。
新しいものを試すのはやっぱり面白い
声をかけた友人たちはいずれも新しいモノ好きというか、こういう遊びが好きそうな面々だ。それまで健康診断や献血で血液検査をしたことはあるが、ずっとつけっぱなしで連続の変化を追いかけたことはない。経緯やメンバーは筆者のnote記事「#NT血糖値観察会を開始しました」にまとまっている。
7500円・2週間使い捨てという金額的にも、身体に針を刺さなければならないという敷居の高さにしても、参加者がさらに増えるとは思っていなかったプロジェクト「#NT血糖値観察会」だが、「自分の身体の中身がリアルタイムに見える」という面白さはテクノロジー愛好家を惹きつけたようで、その後、多くの人が加わり始めた。
メーカー公式のリーダーのほかに、NFCを備えたスマホとアプリで手軽にデータを見ることができる
何しろ今は試しはじめたばかりだから、センサーが動いてデータが読み取れるだけで楽しい。メーカー公式のリーダーの他に、有志がGlimpというスマホで読めるリーダーアプリを開発しているので、何を食べたら血糖値が上がったとか、運動したら下がったとか、各自ファーストインプレッションをTwitterに投稿している。
中にはトレイルランを趣味にしているエンジニアが山手線一周トレイル(40km以上)を、センサーを付けながら走るなど、初めて見るデータを面白がっているようだ。
センサーは1分感覚で測定しているので、連続的な数値が取れて、短期間の推移がわかる。
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