文:ヤジマミユキ
もしあなたの大切な人の命が残り数週間だとわかったら、どんな思い出を作ってあげたいと思うだろうか?
小さな身体で病と闘う1人の少年を支える家族の愛に、多くの反響が寄せられている。
最愛の息子を襲った突然の病魔
英国ウェストヨークシャー州ウェークフィールドに住むローラさん(35歳)が、3歳になる息子エリス・プライス君の病を知ったのは、昨年9月のことだった。
ローラさんがエリス君の異変に気付いた当初、耳の感染症ではないかと思ったという。しかし、CTスキャンの結果、エリス君の脳内には大きさ8cm×5cmにもなる脳腫瘍があることが明らかになった。つまり、脳のガンだ。
エリス君は、長時間にわたる手術を2度も受けたが、治療の合併症で麻痺が残ってしまった。今年の初めには状態が思わしくなくなり、さらなる化学治療も行っていた。
「彼は決してあきらめようとはしていませんでした。エリスが懸命に病と戦っている姿は、私たちを奮い立たたせてくれたんです」と、以前『LeedsLive』の取材に答えていたローラさん。「エリスは本当に素晴らしい息子です。病気の現実は、私たち家族にとって胸が張り裂けるような思いです。でも、エリスは病気であっても自分らしく、前向きであり続けようとしています」とも。
しかし、エリス君の頑張りと家族の願いもむなしく、病状は進行し脳腫瘍は拡大。今年の7月、医師からはエリス君の命はあと数週間だという残酷な現実を突きつけられた。