好調を維持する通信事業
出稿業種別で、広告費予測の減少幅が前年比で最も大きかったのは、「旅行・輸送」(-31.2%)だ。同様に、移動を伴う「レジャー・エンターテイメント」(-28.7%)も大きく減少すると予測されている。「金融」(-18.2%)、「小売」(-15.2%)、「化粧品」(-12.8%)など、ほぼすべての業界で厳しい状況にある。
そんな中、「通信・ユーティリティ」(+4.3%)のみが増加するとの予測が出た。外出できない状況下において、ライフラインとも言えるインターネット接続の速度や安定性への注目が集まったと考えられている。
2008年のリーマンショックによる経済危機の際、減少した広告費は、リーマン以前の状態に戻るまで、およそ8年かかった。そのため今回も同じかそれ以上の時間を要するのではないかと目されている。経済活動を活発にしていく上で重要な役割を果たしている広告。一刻も早くこの事態が収束し、今まで通り企業が安心して広告を打てる日が戻って来ることを願う。