前回 、大学のオンライン授業が総じて不評というお話をしたのですが、開始して1カ月たち、教員も学生も慣れてきたのか、それなりに落ち着いてきました。
「相変わらず酷い」という学生もいますが「むしろ、オンラインの方が楽でいい」という学生も増えてきており、前期はこのまま進んでいきそうです。
そんな感じで、大学も正常化したきたため、私もいくつかの大学でゲスト講師として教壇に立っております(オンラインで)。
その授業の中で、学生にこんな質問をしてみました。
「小中高校で、何のために勉強をしてきましたか?」
「大学で、何のために勉強をしていますか?」
森山たつを
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世界7カ国で大学生向け海外インターンシッププログラムを運営する、(株)スパイスアップ・アカデミア社長。また、大学で講師として年間20以上の大学で講義を行っている。現在、オンラインで学生に就活に関する情報を無償提供するコミュニティ、ポストコロナのオンライン就活大学を運営。早稲田大学理工学部卒。桃山学院大学兼任講師。情報経営イノベーション専門職大学 客員教員。インフィニティ国際学院 プログラムナビゲーター。主な著書に「セカ就〜世界で就職するという選択肢」(朝日出版社)「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(東洋経済新報社)など
twitter : @mota2008
Youtube : ポストコロナのオンライン就活大学
大学で、何のために勉強しているんだろう?
「小中高校で、何のために勉強をしてきましたか?」への答えは、9割が「いい学校に進学するため」でした。予想通りです。そして、「大学で、何のために勉強をしていますか?」への答えは、割れましたが6割が「わからない」でした。
「勉強そのものが楽しい」「教養を身につけるため」「公務員試験のため」など出てきたのですが、過半数が「わからない」。
これが、大学の教育のひとつの問題点だと思います。
そういう私も、今から約20年前、同じことを思っていました。
数学と物理が異常にできた(偏差値70以上)高校生だった私は、早稲田大学理工学部で学者とかになれるかなーと思って勉強を始めたのですが、周りにいる人が明らかに自分よりも勉強ができる人だと気づき、挫折します。
「こりゃ、どう考えても、学者とか無理だね」と気付いて「じゃ、なぜ勉強するのだろう?」という疑問にぶち当たったのです。
学びを因数分解してみる
先日私が登壇させて頂いたイベント「教育ガラガラポン」 の中で「学びを因数分解する」ということをしてみました。
授業や自習で学び(Input)、テストで知識を評価され(Output)、入試でいい進学先に合格する(Outcome)。これが、小中高校の学びでした。
しかし、大学では、この最後のOutcomeに疑問符がつくのです。
皆さんご存じの通り、日本の会社は入社試験で大学の成績をほとんど評価しません。じゃあ、何のために勉強してるんだろう? こんな疑問符がつくわけです。