文:pickwick
原因不明の腹痛に苦しむ3歳の女の子
今年3月初め、米国テキサス州のボーデンさん一家は大きな試練に直面した。娘のルーラ・ベスちゃん(3歳)が激しい腹痛に襲われたのだ。
ルーラ・ベスちゃんは6カ所以上の病院を訪ね回り、そのうち数回はUTI(細菌性尿路感染症)、1回はRSウイルス感染症と診断された。中にはインフルエンザと誤診した医師も。母親のクリスティンさんはこの診断結果に「まったく納得できませんでした」とFacebookに綴っている。
3月23日、精密検査のため緊急病棟に入院したルーラ・ベスちゃん。そこで悪夢のような検査結果が待っていた。なんとお腹の中に特大の腫瘍があり、手術が必要だった。「その時の気持ちは一生忘れないでしょう。混乱、ショック、深い悲しみ。すべてが麻痺したような感覚でした」と母親のクリスティンさん。
妹にバリカンを持たせて自分の頭を剃らせる兄
ルーラ・ベスちゃんは26日、5時間に及ぶ長い手術の末、腫瘍を切除。数日後には、吉報が舞い込んできた。腫瘍はステージ2のウイルムス腫瘍(小児腎臓ガン)で、治療可能であるという。さらに予後も良好だった。ただし闘病は決して楽なものではなく、引き続き22週間の化学療法が必要だった。
投薬の副作用で髪の毛が抜けることがあるため、クリスティンさんは娘に心の準備をさせようと、坊主頭にしなくてはならないかもしれないと伝えた。すると、ルーラ・ベスちゃんは「今すぐやろう!」と即答。「3歳の子どもが、何事も恐れず、治療に取り組む心構えができていたのです」と、クリスティンさんを驚かせた。
続けて兄のコーエン君も、妹がひとりで坊主にならなくてもいいように自分も剃ると言い出した。さらに、父のダコタさんまでもが頭を丸めた。
クリスティンさんは「毎日、本当に大切なことを娘から教わっています。娘はこの試練の下で私たち家族を照らす光のようです。勇敢で強い子。きっと、どんな困難にも打ち勝つでしょう」と、このつらい闘病体験を乗り越えようとしている。
ルーラ・ベスちゃんの化学療法は順調に進み、5月末には術後初のCTスキャンも受けることができた。万全の医療体制と家族の愛に満ちたケアのおかげで、現在は順調に回復しつつあるという。