人工赤血球を自在に動かす「プラスアルファ」の機能
科学ニュースサイトの『SciTechDaily』によれば、これまで各国でさまざまな人工赤血球が開発されたものの、赤血球の機能をすべて補えるものではなかった。そうした問題を解決すべく、今回開発された人工赤血球は、元来の赤血球に取って代わることができるだけでなく、さらなる可能性も秘めている。
人工赤血球の中に薬剤などの物質を入れ、磁気誘導で自在に動かすことができるという。たとえば、体内の局所を狙って送り届けるといった働きができるため、科学ニュースサイトの『Phys.org』はがガン治療などにも期待できると伝えている。実用化に至るまでにはまだ時間がかかるとみられているが、研究チームは毒素を検出するなどさらなる可能性も示唆している。
新型コロナウイルス感染拡大の影響でひっ迫する医療業界に一縷の望みをもたらした人工赤血球。今後、人間の手によって生み出されたこの小さな個体は、現代の想像をはるかに超えた医療革新をもたらしてくれるかもしれない。