英語をまともに読めない日本人ツイッターユーザーがトルコ人女性に火を放つ
最後に一つ、2013年9月にブエノスアイレスで行なわれたIOC総会で東京五輪開催が決定したが、この時に日本人ツイッターユーザーがトルコ人ユーザーへ大量の罵倒を寄せたのである。
この時、東京はトルコのイスタンブールとスペインのマドリードと開催地争いをしていたが、結果は東京に。総会の様子はテレビで生中継されており、日本人だけでなくトルコ人とスペイン人からも注目を集めていた。
そんな中、トルコ人女性が負けたことを残念がり、英語で愚痴のツイートをした。具体的なツイートは発見できなかったのだが、当時この珍騒動があまりにも間抜けで、アングリとしてしまったのでよく覚えている。
トルコ人女性はイスタンブールが選ばれなかったことを「日本に負けてしまった」と残念がり、「Fuck Tayyip」と書いた。これに対し、日本人ツイッターユーザーはこの女性が日本に対して「Fuck」と述べたと勘違い。
ヘタクソな英語でこの女性とトルコを罵倒するツイートが殺到。女性は「私は日本にFuckと言ったのではない! TayyipにFuckと言ったのだ!」と説明するも、日本人ツイッターユーザーはこの英語も読めないのか、女性の元にはさらにクソリプが殺到。トルコ人がこの女性を次々と慰める事態となった。
結果的にこの女性は押し寄せる日本人からの誹謗中傷にキレたのか、IDの名前を日本人を侮辱するようなものに変えた。ちなみにTayyipとは、Recep Tayyip Erdoganのことを指し、つまりはトルコのエルドアン大統領のミドルネームのことである。要するに、この女性はこう言いたかったのだろう。
「イスタンブールでオリンピックが開催されるのを楽しみにしていたのに、日本に負けてしまい残念だ。一体何をやっているのだ、エルドアンのクソたれめ!」
一切日本を罵倒しておらず、あくまでも自国の大統領を罵倒しているだけなのに英語力の低い日本人が彼女を炎上させてしまったのだ。せっかくの親日国であるトルコ人に対して実に失礼な行いである。きっと彼女は日本のことが嫌いになったことだろう。そして彼女を慰めた人々も同様に。
かくして五輪をめぐっては平成末期からはネット炎上がセットとなった。それにしても今回はコロナと反政権もまじりあい、ネット上は大混乱だった。池江璃花子を含め、選手達も開催前から五輪辞退を求めるツイートが多数寄せられた。彼らの言い分は「五輪をやると人が死ぬ。そんなものに加担するあなたも同罪だ。辞退するのであれば、許してやる」というものだろう。
結局開始してみれば、日本の金メダルラッシュで大喜びする声が多数の一方、開催中であろうとも中止を諦めない人々も多数おり、かくも五輪は人々を熱狂させるのである。