LIFE STYLE | 2021/07/09

アインシュタインよりIQの高い9歳の少女、アスペルガーを乗り越え宇宙飛行士を目指す

文:角谷剛
いじめられ、苦しんだ少女を救った母親


メキシコの首都、メキシコシティーで生まれたアダラ・ペレス・...

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文:角谷剛

いじめられ、苦しんだ少女を救った母親

メキシコの首都、メキシコシティーで生まれたアダラ・ペレス・サンチェスちゃん(9歳)は、5歳で小学校、6歳で中学校、8歳で高校の課程を終了し、現在2つの大学でシステム工学とインダストリアル・エンジニアリングを学ぶ天才少女だ。アダラちゃんのIQは162で、アルバート・アインシュタインとスティーブン・ホーキングが記録したとされるIQ160を上回る。

『Yucatan Times』によると、そんなアダラちゃんは3歳の頃に自閉スペクトラム症の一つであるアスペルガー症候群と診断されたという。そのため、社会的なコミュニケーションに困難を抱いていた。学校に馴染むことができず、いじめられることも多かったアダラちゃん。次第に元気を失くしていき、ふさぎ込むようになった。その様子を見かねた母親のナリーさんは、アダラちゃんを学校に通わないで良いようにした。

その後、ナリーさんとアダラちゃんはセラピーに通う中で、アダラちゃんが類い稀な知能の持ち主であることが判明。現在の教育環境が合っていないと感じたナリーさんは、アダラちゃんにふさわしい教育環境を与えることにした。

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天才少女にアリゾナ大学学長が手を差し伸べる

アダラちゃんは、自身の経験について綴った書籍『あきらめないで』を執筆。2019年には、Forbes Mexicoの「メキシコで最もパワフルな女性100人」にも選ばれているなど、注目を集めている。

アダラちゃんが描く将来の夢はNASAの宇宙飛行士になり、火星に行くことだ。そしてその夢に向かい、着実に歩みを進めている。アダラちゃんは、アリゾナ大学のロバート・ロビン学長から同大に招待され、天文学を研究することになったのだ。

『Arizona Republic』によると、ロビン学長はアダラちゃんへの手紙の中で、「私たちの大学にはたくさんの素晴らしい宇宙科学のプログラムがあり、世界トップクラスの専門家たちから直接学ぶ機会を得ることができます。あなたには輝かしい未来が待っています。私はあなたをキャンパスに迎える日を心待ちにしています」と述べたとのこと。アダラちゃんは現在、アリゾナ大学進学に向け英語を勉強しているという。

少し変わった子どもがいじめの対象になりやすいのは日本に限った話ではないようだ。この子には通常の教育は合わないからと別の道を探した母親の英断にも拍手を贈りたい。