CULTURE | 2021/06/11

スカートを履いて教壇に立つ男性教師がスペインで続出。その理由に考えさせられる

文:角谷剛
「男らしさ」「女らしさ」といったジェンダーに基づくイメージは、意図的にではなくむしろ無自覚的に私たちに刷り...

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連帯への行動を起こし始めた教師たち

そして最近、この動きが再び世間で注目を集めることになった。男性教師のマヌエル・オルテガさん(37歳)とボルハ・ベラスケスさん(36歳)が、5月からスカートを履いて教壇に立ち始めたのだ。

校内で、ある生徒がアニメキャラクターのTシャツを着ていたことでいじめを受け、シャツをはぎ取られた上、同性愛者を中傷する差別用語を投げつけられる事件が起きた。オルテガさんらは、この生徒の連帯を示すため、スカートを履いたのだ。

ベラスケスさんはTwitterに、「学校は他人への尊重、多様性、共学精神、そして寛容性を教えるところです。誰もがどのような服を着てもいいのです。 #服装に性別はない」と綴り、自身のスカート姿と画像とともに投稿した。

ジェンダーの多様性について、表立って反対する人はもはや多くないだろう。しかし、その意見を行動で示すことは決して容易ではない。スカートを履いた男子生徒と男性教師たちの勇気に敬意を払いたい。


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