突然だが、過去記事でインタビューした、冨樫真凜氏が、なんと今年の2月に週刊プレイボーイよりグラビアデビューを果たした。
21歳の若さで、育児関連事業を運営する会社の社長を務める冨樫氏が、なぜグラビアアイドルを始めたのか、ご本人を直撃。
そこには、社会課題を含んだ自己実現的な考え方があった。
同世代だけでなく、幅広い人たちを巻き込む魅力を持つ、新しい令和のグラドルの姿とは?
取材・文・構成:庄司真美 撮影:松島徹
冨樫真凜
グラビアアイドル、ベビテック関連事業の経営者
1999年生まれ。東京出身。中学2年生の頃、ドラッガーの本を読んで影響を受け、14〜16歳まで、ニュージーランドに留学。帰国後、角川ドワンゴ学園が2016年に創立したオンライン校「N高等学校」に1期生として入学し、さまざまな教育やプログラムを経験。2018年8月、同校のカリキュラムとして、英オックスフォード大学のサマープログラムやアメリカへの留学を経験。「グラビアネクスト2020」でグランプリを受賞し、育児関連事業を経営しながら、グラビアアイドルとして活動中。
グラビアアイドルとして、社会課題を多くの人に広げたい
―― 新しいスターグラビアを発掘する「グラビアネクスト2020」でのグランプリの受賞、おめでとうございます。やはり、社長業をしている点は大きな評価ポイントだったのでしょうか?
冨樫:初めはInstagramの広告を見て応募したのですが、まさか通るとは思いませんでしたね(笑)。二次審査以降は面接を中心に四次まであったのですが、「どうしてグラビアをやりたいの?」と聞かれて、初めて自分の動機を整理していった感じです。
グラビアを志望した理由は、私がこれまでしてきた育児関連事業のなかでは接したことがない人と出会える新しいチャンスだと考えていて、その点をアピールしました。
―― 新しく芸能界に飛び込んでみていかがですか?
冨樫:少し前に、Instagramのストーリーズで国際女性デーにちなんで、社会で感じる「女性としての違和感」について問いかける企画をしてみたら、多くの反響をいただきました。
作成協力:Kaoru Seki
そういう活動をしても、グラビアデビューする前は、ジェンダーにもともと興味のある人たちにしか届けられなかったと思います。
でも、デビュー後は、女性はもちろん、グラビアをきっかけに私を知ってくださった多くの男性からも「気づきませんでした」「勉強になりました」といったDMをいただき、大きな広がりを感じることができました。
作成協力:Kaoru Seki
―― 今回の社会課題についての問いかけが、男女問わず多くの人に響いたわけですね。
冨樫:芸能界ってとても怖いところで、今回のようなフェミニズム的な活動をしたら、「アンチから猛烈に批判されるかも」と思っていました。でも、実際はそんなことはなくて、とても治安がよく、びっくりしました(笑)。
―― 逆に戸惑ったことはありますか?
冨樫:戸惑うというと少し違いますが、私のようにグラビアを意図してやっている人はではなく、意図していない女性に対して、「胸が大きいね」「セクシーだね」という発言が出るのは完全に差別的だと思っています。それを助長するような存在にならないようにするにはどうしたらいいかということは考えますね。
写真:事務所提供
―― これまで中学生の頃から海外に留学したり、N高の一期生として学業以外の多くのことを学んだり、起業して社会課題に取り組んだり、人とは違ったさまざまな経験をしてきた冨樫さんですが、芸能活動に活かせる部分をどのように考えていますか?
冨樫:おかげさまでいろんな引き出しがある分、ネタが尽きないというのはありますね(笑)。いろんな経験ができたことで、多角的に物事を見ることができるようになったので、どんな業界の人とも楽しくやっていける自信はあります。
―― 現在、社長業とグラドルの仕事をどのように棲み分けしていますか?
冨樫:グラビアは始めたばかりなので、いただいたお仕事を全力でやるスタンスです。週のうち何日は芸能活動、と分けているわけではなく、それ以外の時間はこれまでどおり事業にあたっています。
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