文:角谷剛
日本と同様かそれ以上に、米国でも育児とキャリアの板挟みで悩む母親は多い。高額な保育園費用を負担することができず、やむなくキャリアや進学を中断するか、あるいは諦めざるを得ないケースも多々ある。
そんな中、全米屈指の有名大学の教授が、育児中の大学院生のために行った支援が注目を集めている。
育児と研究の両立に励む大学院生を支援
マサチューセッツ工科大学のトロイ・リトルトン教授は、生後10カ月のケイティちゃんを持つ大学院生カレン・カニンハムさんのため、研究室の中にベビーベッドを用意した。これにより、カレンさんはケイティちゃんを伴い、研究に勤しむことが可能になった。
トロイ教授は今月8日、自身のTwitterにこのベビーベッドの写真を、「私の研究員は赤ちゃんを職場に連れてくることができて、ママが仕事で忙しい時に私は赤ちゃんと遊ぶことができる。これこそウィンウィンです」とコメントを添えて投稿した。
すると、このツイートはまたたく間に拡散され、現在までに11万7000もの「いいね」を獲得。育児とキャリアのワークライフバランスに悩む親たちなどから「よくやってくれました」「私もこんな職場で働きたいです」「私の研究室でも同じことをします」といったコメントが殺到した。
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