スマホを顧客に配り連絡を待つ営業スタイル
稲垣さんが編集委員を務める業界誌『ビルクリーニング』
稲垣:発信を続けたりITコンサルの仕事をする中で、お客さん側にも課題があることに気がつきました。例えば学校法人のお客さん。学校はコロナ禍ではZoomなどで授業をやっているから、教室には生徒さんがほとんどいない。だけど年間契約でビルメンテナンスのお金を払っているわけですよ。ビルメンテナンス側からすると言わないじゃないですか。売上下がっちゃうから。
―― それは確かにそうかもしれない。
稲垣:そこでその間に立つ人がいるなと思って、ビルメンテナンス自体のコンサルタントとして、一歩を踏み出したんです。ビルメンテナンスの仕事って、現場が問題なく回っていたら、お客さんから発注があるまで、やることが実はあまりない。1年間契約が慣例なので安定しているんですよ。
さらに営業が全部オンラインになれば楽じゃないですか。そのためにお客さんに携帯を配ったんですよ。チャットやZoomがすぐにできるようにアプリをあらかじめ入れておくと、自動的にそこに来るわけですよ、何かあったら。そうしたらどこにいても仕事ができる。
―― アナログだけどデジタルな、究極の囲い込みですね。そんな営業している人、初めて聞いた。
稲垣:僕は元々投資会社にいたので、お金をかけてリターンを取る考えがあります。営業でお金を使うことに対してはなんの抵抗もないんですよね。
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