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文:ヤジマミユキ
いまだ収束が見えない新型コロナウイルス。ワクチン接種が始まったことで、少しずつ希望が見えてきたとはいえ、感染リスクとの戦いはまだまだ続いている。
こうした状況の中、今月、インドで発表された最新の研究で、メガネを掛けている人は新型ウイルスに感染する可能性が2〜3倍低くなるとの調査結果が発表され、話題になっている。
約40%がメガネを掛けているインドで、感染患者は19%
今回の研究は昨年の夏、インドの北部ウッタルプラデーシュ州カンプールデハット地区で、10歳~80歳の新型コロナウイルスに感染した患者304人を対象に実施したもの。インドでは成人の約40%がメガネを掛けているが、感染者の中でメガネを掛けている人の割合は19%(58人)であることが判明し、「メガネを掛けている人は、掛けていない人に比べて感染リスクが約2~3倍低かった」と結論付けた。
この研究の著者である、インドの全国失明予防プログラムの眼科医のアミット・クマール・サクセナ医師は、「目への接触と摩擦の繰り返しが、重要な感染経路となっている可能性がある」と示唆している。
以前に中国で実施された研究でも、人口の約30%がメガネを掛けているのにも関わらず、新型コロナウイルスで入院している患者でメガネを掛けている人はわずか5%であったと報告があった。
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