ビジネスのベースには欠かせない情報。当然、有能な企業ほど有力な知見や情報ソースを多く持つだろう。
前回に引き続き、そんなビジネスパーソン諸氏に紹介したいのが、与信管理システム「リスクモンスター」のYouTubeチャンネル「RismonCM」の人気コンテンツ「リスモン調べ」だ。
「リスモン調べ」では、時事ネタから「合コンしたいと思う企業ランキング」、「離婚したくなる亭主の仕事」といったくだけたテーマまで幅広く、世の中の実態をデータとともに動画で紹介。
「RismonCM」の企画の中でも「リスモン調べ」は再生数数万を超える人気コンテンツとなっている。
近年、企業のオウンドメディアとして発信される動画は増えているが、気になるのは、その狙いやメリットについて。
ということで今回は、「RismonCM」にレギュラー出演するリスクモンスター株式会社 データ工場 工場長(執行役員 本部長)の川本聖人氏とキャスターの山本真由美氏に、動画制作に込めた思いを伺った。
聞き手:米田智彦 取材・文・構成:庄司真美 写真:神保勇揮
堅実性を出しつつ、できるだけ面白く、バズりやすい動画で勝負!
YouTubeチャンネル「RismonCM」の第31回リスモン調べ「社会人の転職事情アンケート」より。
―― 企業が公式サイトとは別に、オウンドメディアを運営することはよくありますが、「RismonCM」のように動画が軌道に乗る例は少ない印象です。リスクモンスターではどんなきっかけで番組を始めたのですか?
川本:「リスモン調べ」は私が所属するデータ工場で調査し、制作しているコンテンツで、PR材料としてこれを面白おかしく発信できないかというところから始まりました。私は最初の5、6回は動画に出ていませんが、気づいたら出演するかたちになって今に至ります。
―― すでに出演は20回を超えますよね。川本さんは会社員でありながら、YouTuberのように堂々と出演をこなしていますが、お立場的にいろいろプレッシャーはありませんか? 一方で、山本さんの冷静な突っ込みもシュールでいい感じですよね(笑)。
川本:そろそろ私以外の人に変えたいのですが……(笑)。実際は恥ずかしいですよ。変にキャラを演じてもおかしいので素でやっております。
仕事でセミナーを開催する機会もあってその延長線上で喋るようにしていますが、どうしても毎回緊張してしまうんですよね。
山本:私としては、川本さんがいつも本当によどみなく話されるので、とても安心感がありますよ。
リスクモンスター株式会社 データ工場 工場長の川本聖人氏。
―― 「リスモン調べ」のテーマ設定はどのように決めていますか?
川本:年間でタイトルを並べてスケジュールを組んでいます。毎年定例のテーマのほか、やや人気が低かったものなどを入れ替えながら、できるだけ面白くてバズりやすいタイトルを考えるようにしています。
こんなゆるい動画を配信していながらも弊社は、企業の信用格付けを提供している社会的責任がある企業です。そこを念頭に置きながら、企業や仕事などにまつわるテーマをベースに組み立てています。回を重ねて最近では、より広い層に観ていただけるようなテーマを扱うようになり、エンタメ性が増している感じですね。
海外ロケや演出の工夫で神回続出?
―― 確かにテーマ設定が幅広いですね。そこがまた大胆で面白いなと思いました。印象に残っている回はありますか?
山本:毎回、時代の流れを反映したトークが必要なので、基本的にどの回も勉強になっていますね。印象深かったのは、弊社に上海支社があるご縁もあり、撮影クルーみんなで上海に行かせてもらった回ですね。
YouTubeチャンネル「RismonCM」の人生の達人に聞く〜あなたにとって信用とは? -上海編その1-より。
現地の人に、「あなたにとっての信用は何ですか?」という質問をぶつけたら、現地のさまざまな生の声を聞けたのが印象的でした。
国境を越えて文化も違うけれど、やはり「信用」において大事にする根っこの部分がシンプルで、大事なものはあまり変わらないんだなということが感じられました。ただ、残念ながら川本さんは一緒に行けなかったんですよね。
川本:そうなんです(泣)。たまたま仕事がかぶってしまって……! 私としては、毎回いろんないじり方をされるので、どれも印象深いといえば深いですね。
キャスターを務める山本真由美氏。
―― 一番反響があった回はいかがですか?
川本:自社調査で、初めてリスクモンスターがランクインした回でしょうか。
「平成生まれの企業で100年後も生き残ると思う企業はどれですか?」というアンケートを取ったら、ありがたいことに弊社がランクインしたのです。
これまで企業にまつわるあらゆる調査をしている弊社ですが、なかなか自社がランクインするには至らなかったんです。
山本:リスモンさんが初めてランクインしたということで、ディレクターさんが気を利かせてサプライズでケーキを用意してくださったんですよね。
川本:そのケーキを山本さんに、「あーん」と言って食べさせてもらったのが、社内をはじめ、山本さんのファンの方からとても反響がありました(笑)。
―― それは反響があるでしょうね(笑)。僕が印象に残ったのは、1回目の動画で、山本さんが松森さん(その回のコメンテーター)に「どんな人と結婚したいですか?」と聞かれて無視して進行していたのが面白かったのですが、あれはアドリブですか?
山本:基本的に台本はあります。当日に、ディレクターさんから耳打ちでこうしてくださいといった指示があるので、かならずしも私の一存でやっているわけではないんです(笑)。
1回目なので、どういう仕上がりになるのか分からない中で、その要求になるべく応えようと必死だったんじゃないかなと思います。最終的にうまく編集していただき、感謝しています。
―― それから突然、ランキングを発表するキャスターが割り込む回もいくつかありましたよね。観ている人を飽きさせない工夫が感じられました。
YouTubeチャンネル「RismonCM」の第4回リスモン調べ 「離婚したくなる亭主の仕事」より。
川本:出演しているのは、基本的にうちの社員なんです。やはり、回数を重ねるとマンネリ化しちゃいますから。ちなみに突然動画に登場した小泉は、もともと劇団出身者だったこともあって起用しました。
経済危機や天災時には特に重用される「与信管理」
―― 根幹業務の信用調査においては、昨今はコロナの影響が特に大きかったと思いますが、いかがですか?
川本:そういう意味では、弊社は比較的景気の変動がある時期に需要が伸びやすい業種です。今年はコロナの影響で景気が悪くなりやすいこともあって、危機感を持つ企業は多いですね。
そのため企業の信用調査に力を入れる企業は増えていて、おかげさまでリスクモンスターの利用者も伸びています。
―― 与信管理の観点で、これまでもリーマンショックや3.11、さまざまな天災をはじめ、今回のパンデミックを経てきた中で、非常時の会社の対応についてはどのように考えていますか?
川本:仰るように、この10数年は事業環境が目まぐるしく変化しています。ITの進歩とともに、いかに情報を早く正確に収集し、どれだけ効果的にユーザーに伝えられるかという点がとても重要だと考えています。
我々は企業の格付を付ける時に、人の目だけでなく、機械的なロジックを利用して作成していますが、AIなどの新技術を取り入れて進化を続けています。
これまでの人手に頼った仕事から、よりオートマティックで精度が高いアウトプットができるよう進めているところです。
特にコロナ禍ではテレワークが増えていることもあり、リスクモンスターのサービスを使っていただくことで、出勤しなくても与信管理ができるようにするための整備が重要だと捉えています。弊社自体の業務改革とともに、注力できればと考えています。
―― 多くの場合、自社の経営が危ないということはオープンにしないのが一般的だと思いますが、与信管理する上でそれを見抜くサインのようなものはありますか?
川本:この1年で言えば、コロナによる影響が出ている業種は、旅館業や観光業、飲食店です。そこから傷み始めて、この先どうなるかを予測すると、そこが傷み切ったら次はそこに食材を納める会社や取引先が危なくなることが考えられます。
商流を捉えながら企業単体ではなく、その業種が危なくなったときに、次に危なくなる業種、さらにその先の取引ネットワークに目を向けていくことが大事です。
実際に、このご時世で倒産や業績悪化のスピード感が速く、情報が届く前に企業がダメになってしまうことも多いです。だから今ダメになってしまった企業から派生して何が起こるのか、情報の連鎖から読み取ることが重要かなと思います。
意外と身近な会社の信用情報を知るきっかけに
―― リスクモンスターは昨年、創業20周年の節目を迎えました。これまでを振り返り、事業の発展や手応えはいかがですか?
川本:おかげさまで20周年を迎えて、人で言えば成人に当たるということで、ここ10年間の長期経営計画の中では、一人前の会社になることを目標に歩んで参りました。
全社を上げて一人前に近づけるように努力してきた中で、今後は向こう10年、30歳に向けて、きちんと一人前の企業だと胸を張れるようになっていきたいです。
今後の目標としては、リスクモンスターのツールをご活用いただくことで、ユーザーの皆様が信用されるようになる会社、つまり「信用を判断する会社」から「信用を生み出す会社」になっていきたいと考えています。
我々は「信用」を扱う会社なので、来期以降の目標のひとつとして、「信用をつくる会社」「信用を生み出す会社」になっていくことがあります。
リスクモンスターのツールを活用いただくことで、ユーザーのみなさんから絶大な信用を寄せられる会社になることが目標です。
―― 最後に、半歩先を目指す「FINDERS」のビジネスパーソン読者に向けて、「リスモン調べ」の活用法についてメッセージをお願いします。
山本:「与信管理」自体、普段生活する中で意識しないようで、実は生活に密接だったり、つながっていたりということがあるものです。「リスモン調べ」は、なかなかそういうことを知るきっかけがない人にも入りやすい切り口になっています。
私自身、動画を制作する中で視点が変わって見えてくる部分もありましたし、「リスモン調べ」は企業や仕事に今求められていることを発信しているので、動画を通じてぜひ興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
そしてひとつの知恵や情報として、ビジネスパーソンのみなさんの会社や仕事に結びつけて、活用いただたら幸いです。
―― ありがとうございます。これからも動画の配信を楽しみにしています。
※次回は、「リスモン調べ」の神回を抜粋して紹介します。ご期待あれ!