LIFE STYLE | 2021/01/29

罰則付きロックダウンで暴動発生!コロナストレスとどう向き合うか【連載】オランダ発スロージャーナリズム(32)

※写真はイメージです。Photo by Shutterstock
昨年末、例年より少し早めのクリスマス休暇に入ったかの...

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小さなストレスがより大きなストレスを生む

Photo by Shutterstock

こうして幸せな国の上位にランキングされているオランダ社会でも、少しづつ、いやすでに大いにストレスが広がってきているように感じます。もちろん個人レベルでは、基本、在宅であるために、そんな嫌がらせに遭ったり、暴動の場面に遭遇することはありません。

街ですれ違う人は今まで通りフレンドリーだし、誰かれ構わず、冗談を言い合うような国民性は変わらずで、社会全体がどんよりしているという感じはありません。しかしニュースで目にする、話を聞く出来事の中には少し以前と違ってきているものもあります。

ただし失業者も当然、増えています。失業手当を含む、コロナ手当的なものもありますが、飲食店、ホテルなどの観光業、ミュージアム、ライブ、演劇などのアート関係は、大きなダメージを負っています。もしかしたら、コロナ後になっても戻ってこないかもしれません。そのくらいのダメージを受けていることが分かります。経済的なダメージは、おそらくもっと後に大きな影響が出てくることも予想されています。

オンラインにシフト出来るものは、すでにほぼオンラインにシフトしていますので、オフィスの需要は減少し、オンラインショッピングが興隆するなどと、分かりやすいシフトもしています。

筆者は、現在ではオンラインでの仕事が99%といった感じです。そもそもオランダに住んでいながら日本との仕事が多かったので、もともとそれに近かったというのはありますが。そこへきてコロナ禍になり日本でもオンラインの仕事が盛んになったことにより、ますます仕事はやりやすくなった感さえあります。

ところが、もうほぼ1年近く日本に帰ることが出来ておらず、日本食も食べることが出来ないことが関係あるのか? ないのかは分かりませんが、最近、自分が少し怒りっぽくなっているように感じています。基本的に在宅ワークですから、特に人とリアルに会うこともありません。オンラインでの打ち合わせやスピーチはあるものの、当然ですがそれらはすべて画面越し。スピーチなどは参加人数が多いと逆に人の反応がわからない画面に向かって、ひたすら一人で話すことになります。こうしたことの積み重ねが、おそらく、自分でも気づいていない間にストレスが溜まっているだなあ、とこれを書きながら思いました。

SNSでの匿名での書き込みの過激度やヘイトスピーチなどが増しているそうですが、そういうことをする人の気持ちがまったくわからない、ではなく、案外理解出るような気もしてきています。自分でも気付かないうちに、こんな状態になっているようです。

今は、このように、小さなストレスが少しずつ少しずつ社会に溜まっていっているのが、オランダではないか? と思います。ひとつひとつは取るに足らないストレスでも、それが積もり積もって、鬱積しつつある、という感じでしょうか。

そうそう、医療崩壊についてですが、こちらでももちろん政府は気にしています。毎日、使用病床数などを公表したりしています。ただ日本と違うのは、実はこちらではすでにトリアージが行われているということです。高齢者よりも若者の命を優先したり、助かる見込みの少ない人より、助かる見込みの高い人が優先されたりする、ということです。隣国ドイツのベッドに移送される人もいますし。トリアージが起こること自体については「しょうがないよね」という意識が圧倒的で「当たり前」すぎて、さほど話題にもなっていない印象があります。

人はやはり社会性がある生き物

それから、少し前に前職の元同期とzoom飲み(オンライン飲み会)をやりました。お互いに元いた会社は辞めており、今はたまたまお互い、国は違えど同じヨーロッパにいるという間柄。時差も関係なく、すっかり堪能してしまい気づいたら5時間近く飲んでいたと思います。

ロックダウンに入って以来というか、もしかしたら昨年来、家族以外との飲み会は初めてだったかもしれません。個人的にはかなり楽しく感じました。あとで妻に言われたのですが、「夜中に大声でノリノリで話していから、全然寝れなかった」と。その日は寝不足になってしまったであろう妻には悪いのですが、そういえば、いつの間にかストレスが解消された感じがしています。

なんというか、やっぱり人には、社会性が必要なんだろうなあと、強く認識できました。

日本でも飲食店の営業時間が短くなっていると思いますが、デリバリーやテイクアウトをしての、オンライン飲み会をぜひオススメします。あ、今だと話題のClubhouseも良いかもしれません。実は、FINDERS編集長の米田さんと、編集の神保さんと早速一緒に試してみました。なかなかに楽しかったです。あ、それと以前、オンラインキャバクラが流行っているという記事を読んだ記憶があるので、ちょっと調べてみたら、出てくる出てくる「オンキャバ」情報。今なら、なんとなく「オンキャバ」に行ってみようかな、と思う気持ちも分かります。

というか、これがもうストレスが溜まっている証拠かもしれませんね。このようにストレスは自分でも気がつかないうちに溜まっているようです。

緊急事態宣言が長引くようでしたら、ストレス対策もしておいた方が良さそうです。自分の場合は、昨年来、毎月100km以上のランニング、ほぼ毎日子どもと一緒に行うサッカートレーニング、そしてたまにやる料理。それから、仕事との兼ね合いもあり始めたオンライン大学(スタンフォード大学が始めた、無料のCourseraを利用しています)。このあたりがストレス解消になっています。外食もまったくないので、おそらくかなり健康になっている感じがします。皆さんも、くれぐれも健康に気をつけて安全にお過ごしください。


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