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文:山田山太
長年大量に廃棄され、環境に悪影響を与えてきたプラスチックごみ。全国のコンビニやスーパーではレジ袋が有料となり、スターバックス・コーヒーでは紙製ストローが採用されるなど、日本でも少しずつ意識されるようになってきた。
環境保護団体らが参加する慈善団体『Break Free From Plastic』は毎年、世界中でプラスチックごみに関する調査を実施しており、今年は世界55カ国の海岸等で清掃活動を行い、プラスチックごみ34万6494個の回収。そして、それらの廃棄物をブランド別に仕分け集計し、昨年12月発表した。
3年連続1位となったコカ・コーラ社
今回の調査で、最も多くのプラスチックごみの出どころとなったブランドは、コカ・コーラやファンタなどの飲料でおなじみのコカ・コーラ社。同社のプラスチックごみは世界51カ国で1万3834個も見つかり、2位3位の合計を上回る結果となった。ちなみにコカ・コーラ社は3年連続で1位だ。
2位にランクインしたのはペプシコ。ペプシなどの飲料に加え、レイズ、ドリトスといったスナック菓子など多数のブランドを抱える。日本ではペプシの販売はサントリーが行っているため、聞き慣れないという人も多いかもしれない。3位は、ネスカフェやキットカットでおなじみのネスレがランクインした。ベスト10は下記の通りだ。ブランドごとに発見されたゴミの個数、カッコ内は発見された国数を記載した。
1位:コカ・コーラ 13,834個(51カ国)
2位:ペプシコ 5,155個(43カ国)
3位:ネスレ 8,633個(37カ国)
4位:ユニリーバ 5,558個(37カ国)
5位:モンデリーズ 1,171個(34カ国)
6位:マース 678個(32カ国)
7位:P&G 3,535個(29カ国)
8位:フィリップモリス 2,593個(28カ国)
9位:コルゲート・パーモリーブ 5,991個(24カ国)
10位:ペルフェティ・ファン・メレ 465個(24カ国)
コカ・コーラ社は2030年までに、世界で販売するすべてのペットボトルを回収・リサイクルする目標を定めており、現在100%リサイクルされたプラスチック製のボトルを世界18の市場で販売していると主張する。また、他の企業も世界的な知名度を誇り、環境に対する社会的責任をある程度果たしているイメージがある。
しかし、Break Free From Plasticでグローバル・コーポレート・キャンペーンコーディネーターを務めるエマ・プリーストランド氏は「世界のトップ汚染企業はプラスチック汚染解決に向け、懸命に取り組んでいると主張しますが、依然としてプラスチックごみを生み出し続けています。コカ・コーラ、ペプシコ、ネスレは先頭にたち、使い捨てのプラスチックの生産を廃止し、持続可能な解決策を見つけるべきです」と痛烈に批判した。
ちなみに、今回の調査で見つかったプラスチックごみで最も多かったのは、ケチャップやコーヒー、シャンプーなどの使い切りの小袋だ。次いで、タバコの吸い殻(ほとんどのタバコにはプラスチックフィルターが採用されている)。そしてペットボトルが続いた。小袋やペットボトルは容器や水筒を持ち歩くことで減らしていくことができるはずだ。
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