文:山田山太
もうすぐクリスマスがやってくる。日本では恋人たちが過ごす日として定着しているが、欧米では恋人ではなく家族で集まるための特別な日だ(という説明もすっかり定番となった)。
そんなクリスマスシーズンに合わせ、オランダの医療品ネット通販ドック・モリス社が公開したCMが今、大きな感動を呼んでいる。
クリスマスに向けてケトルベルを持ち上げるおじいさん
このCMは、一人のおじいさんが自室のベッドで目覚めるところから始まる。おじいさんは起き上がり、不意に窓の外を見ると、近所の家族がクリスマスの準備を進めている。その光景を目にした瞬間、おじいさんは何かを思いついたかのように、庭の納屋へと入っていく。
おじいさんは、納屋の中から古びたケトルベル(鉄球に持ち手がついた筋トレ用具)を探し出し、おもむろにトレーニングを始める。しかし年老いた体ではなかなか思うように持ち上げられない。それでもおじいさんは諦めない。隣人や家族に怪しまれながらも、写真立てを前に、来る日も来る日もトレーニングを続けた。
そしてクリスマス当日、おじいさんはジャケットを羽織り、手にはプレゼントの箱を持ち、娘夫婦の家へと向かう。そして最愛の孫娘と対面し、プレゼントを渡す。プレゼントの中から出てきたのはクリスマスツリーのてっぺんに飾る大きな星のオーナメント。しかし、孫娘の身長ではツリーのてっぺんには到底届きそうにない。すると、おじいさんは孫娘を抱えて、ツリーの高さまで持ち上げた。そう、日々のトレーニングはすべてこの瞬間のためだったというわけだ。
そして、トレーニング時に前に置いていた写真立てには孫娘の写真が入れられていることが明かされ、「人生で本当に大切なものを大切にできるように」というメッセージと共にCMは締めくくられる。
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