史上初の快挙を達成した経験から伝えたいこと
自分に正直な道を歩むと決心したキールさんは、今年、タイで性転換手術を受けた。そして、念願だった「ミス・インターコンチネンタル・ニュージーランド2020」に出場。なんと代表に選ばれた。これはフィリピン人のトランスジェンダーの女性として初の快挙だという。
カミングアウト当時、家族の理解を得られなかったキールさんだったが、現在は嬉しいことに、家族との関係も良い方向に進んでいるようだ。彼女は、「父親が自分を完全に娘だと受け入れてくれました」と話す。
また、自身の経験をもとに、「私と同じような道を歩もうとしているフィリピン人に言いたいのは、常に自分自身に忠実でいてほしいということです。人の意見に左右されて、一個人としての魂が薄れてしまわないように。人生は一度きり。だから、自分の条件で生きてほしい」とメッセージを送っている。
多様性が広がりつつある一方、分断が顕在化している現代において、どんな困難に直面しても、強い心を持って乗り越えたキールさんの姿勢は、多くの人の背中を押すに違いない。