文:岩見旦 写真:赤井大祐
東京五輪を控え、英語の必要性が急上昇
訪日外国人数が昨年、初めて3000万人を突破。来年には東京五輪が控えている。グローバル化が加速する日本において、英語の必要性が急上昇している。社内公用語を英語にする日本企業が続出し、採用や昇進においてTOEIC®の点数が求められるケースも珍しくなくなった。
かく言う私も昨年初めてニューヨークに旅行に行った際、英語が全く通じず苦労した。今年1月から一念発起し、英語学習をスタートしたものの、あまりにたくさんの情報が溢れており、正しい学習方法が分からず、単語をひたすら暗記する日々だ。
このままでは埒が明かない!ということで、英語コーチングプログラム「プログリット」の門を叩いた。
プログリットは2016年9月よりスタートした、短期間で圧倒的に英語力を伸ばす英語コーチングプログラム。あの本田圭佑選手が公式アンバサダーを務めていることで、ご存知の方も多いだろう。
この度リブランディングを果たしたということで、その秘伝のメソッドについて代表取締役社長の岡田祥吾氏に話を伺った。
プログリット社長が明かす日本の英語学習サービスの欠点
―― 日本のビジネスマンは他国と比較して、英語力が低いと言われています。豊富な教材が溢れているにも関わらず、日本人の英語力が伸びない理由をどのようにお考えですか?
岡田:ビジネスマンが日本国内で英語力を身につける時、大事なことが3つあります。「良質なコンテンツ」と「学習コンテンツの選択」と「学習の継続」です。良質なコンテンツを正しく選択し、継続できれば英語力は必ず伸びます。
しかし、英語学習サービスを提供している多くの企業が、コンテンツ開発ばかりに注力して、「学習コンテンツの選択」と「学習の継続」という部分にフォーカスしてきませんでした。逆に良質なコンテンツがあるにも関わらず、どれが正しいのか選択できず継続できないというのが、その理由の一つではないでしょうか。
プログリットはこの「学習コンテンツの選択」と「学習継続のサポート」にフォーカスしました。他社と全く違う領域で戦っています。
―― 実際にどのようなメソッドで英語力を伸ばすのでしょうか?
岡田:プログリットは英語自体を教えるサービスではありません。英語の自習力を構築します。
サービスの特徴は先程申し上げた通り、2つあります。1つは「学習コンテンツの選択」。お客様にはまずテストを受けていただき、なぜ英語を話せないのか、なぜリスニングが出来ないのかを徹底的に分析します。その結果を元に、カウンセラーが適切な学習方法と教材を選び、学習プランを作ります。
2つ目が「学習継続のサポート」です。お客様一人ひとりにコンサルタントが専属でついて、マイクロマネジメントと言っていいほど密着します。継続に関するサポートのポイントは3つあって、まずはスケジュール管理です。1週間ごとに何時何分から何時何分までどこの場所で何をやるのかを決めます。実績をオンライン上に書いて、計画通りこなせているかチェックします。
次に週1回の面談です。決めたスケジュールに従って英語学習ができたのかについて、面談で話します。もしスケジュール通りこなせていなかったら、その理由をとことん深堀りします。例えば、飲み会が入って出来なかったら、何で飲み会が入ったのか、何で誘われたのかを徹底的に原因を分析します。もう逃げることはできません。普通の英会話スクールのセッションとは180度異なりますね。
最後にチャットでのコーチングです。お客様には勉強の開始時と終了時にリアルタイムでご報告していただきます。例えば5時に起きて、5時15分に勉強やりますとチャットアプリで報告する、といったようなことをします。
英語学習の成果を上げる要素は「学習生産性」と「投下時間」しかありません。私たちは、この両方をマックスにします。最も効率のいい学習をコンサルタントと二人三脚でやっていただき、3カ月間でしっかりと英語力を上げることがでます。
―― なるほど。プログリットを受けられる方はどのような人が多いですか?
岡田:一番多いのは30代から40代のビジネスマンです。50代の方もいます。例えば、英語をビジネスで使いたい人や、ミーティングで外国人がいるけど実はあまり分かっていないといった方たちです。
実はそのような人は今まで英語学習をやってきて、何かしらのサービスを使ってきた経験があります。だけど成果が上がらなかったという悲しい過去を持っていることが多いです。
プログリットを受けられた20代後半の商社マンは、社内で英語力を認められて、オーストラリアに駐在に行かれた方もいます。最近では経営者の方も増え、海外の投資家にプレゼンできるようになるなど活躍の場が広がっています。
―― この度リブランディングされたということで、どのような点が変わったか教えてください。
岡田:社名をサービス名と一致させ、「株式会社プログリット」に変更しました。それに伴い、ロゴも変えました。新しいロゴは上と下に線があり、合わせると矢印になります。上と下の線が「人」と「テクノロジー」を表しています。
英語学習の成功のためには、人を動かす必要があります。多くの会社が「テクノロジー」だけで英語学習を変えようとしています。しかし、決してすべてが成功しているとは言えないでしょう。「テクノロジー」だけでは人を動かすことが出来ません。人を動かすには、「テクノロジー」に加えて「人」の力が必要です。「人×テクノロジー」、この2つのサポートでお客様の英語学習を支えます。
受講者の弱点をあぶり出すカウンセリング
いよいよカウンセリングのスタートだ。カウンセラーの奥田拓陽氏に私の現状の英語力を診断していただいた。
まずは今回の英語学習の目標をTOEIC®の点数アップに決めた。3カ月間のプログラム終了後、どれだけ英語力がアップしているかを可視化するため、数字として結果を出せるゴールを定めた。
現在の英語力を明確にして課題を分析するため、語彙力・リスニング・リーディング・英作文と4種類のテストを受けた。ここ半年ひたすら単語集をやっただけあり、語彙力のテストはそこそこ答えられたが、リスニングとリーディング、英作文はボロボロ。テストが終わると、奥田氏から「私の中で、これをやれば確実に英語力を上がる学習プランが見えました」と頼もしい言葉をいただいた。
私はこれまで退社後、英語学習を行ってきたが、「分散させた方がいい」と奥田氏。夜は疲れが溜まったり、突発的な予定が入ることなどがあるので、朝に重たい学習を持ってきた方が心理的負担も減るとのこと。また、「英語学習はスポーツに近く、1日2日空けると一気になまってしまうので、やらない日を作るのはリスキー」であるとし、土日に学習を集中させるやり方は非効率なようだ。
続いて、こちらの「英会話の5ステップ」を使い、学習のノウハウを説明いただいた。今回はTOEIC®の点数アップのため、一旦スピーキングを外し、リスニングに焦点を当てることに。
リスニングの構造は「音声知覚」と「意味理解」の2つのプロセスに分かれているとのこと。「音声知覚」は聞いた単語が何であるのか理解するプロセスであり、例えば、「アポー」という音声が「Apple」であるという風に認識すること。「意味理解」は単語がどういう意味なのかを把握するプロセスで、例えば、「Apple」と変換された単語が「りんご」であるという風に「知識データベース」から知識を引き出し紐づけること。このプロセスを滞り無く行うと、リスニングが出来るようになるという。
ここで、奥田氏はリスニングのテストを元に、私の頭の中を解説。「音声知覚」に非常に多くのキャパシティを取られて、「意味理解」の余裕が極端に少なくなっているとのこと。確かに単語ごとの意味は、何となく理解出来ても文章全体はさっぱりだ。「音声知覚」を自動化し、「意味理解」に頭の容量を多く割けるよう目指す。
そこで「音声知覚」を自動化するのに、最も効果的な学習方法がシャドーイングだ。英語の音源を聞きながら、2、3語遅れて追いかけるように発音するトレーニングである。プログリットでは、音源のレベルやメソッドを、徹底的にコーチングしてくれるという。
さらに、プログリットではシャドーイングの添削を毎日行っている。誤った発音で練習してもほとんど意味がないため、トレーニングの最後の発声をメッセージアプリで録音し、専任のコンサルタントに送付。細かいフィードバックを受けることで、日々のシャドーイングをよりよいものにさせる。このサイクルを回すことで、リスニング力を向上させるとのこと。
またリスニングでの意味を理解するスピードを上げるため、速読のトレーニングを合わせて実施。さらに、単語に関しては、毎週面談でテストを行うことで自らを追い込む。文法は中学レベルのインプットから始め、後半はTOEIC®の演習問題にチェンジする。
日々の学習プランはシャドーイングを60分、速読を30〜45分、単語帳が30分、残りは文法の勉強をするといった具合だ。この学習プランをやりきるため、専任のコンサルタントが並走。これまで6000人以上の卒業生を輩出してきたノウハウで、学習をサポートする。
カウンセリングを受けて
今回、奥田氏のカウンセリングを受けてみて、私の英語力の陥っている欠点を見透かされたようで、その高い分析力に驚かされた。また学習方法についても非常に緻密で論理的に説明され、高い成果が期待できるという印象を受けた。無料カウンセリングを実施しているので、興味のある方はまず公式サイトにアクセスしてほしい。
一方、本当に毎日3時間の英語学習が出来るのか、現在まだ不安というのが正直なところ。さらにたった3カ月で英語力が目に見えるようなレベルで本当に伸びるのか、未だに半信半疑だ。
ちなみに、このカウセリングの帰り道、書店で『公式TOEIC® Listening & Reading 問題集 5』を購入。自宅で模擬試験をしてみたところ、リスニングはほとんど聞き取れず、リーディングは最後まで終わらなかった。正答数はともに50で、参考スコアは345-495という有様だった。独学とはいえ半年以上、英語学習してきてこのスコアとはガッカリだ。
果たして3カ月後、本当に英語力が伸びたのか? やらせなしのガチンコ「プログリット」体当たり体験記、後編を楽しみにしてほしい。
後編はこちら。