CULTURE | 2019/10/04

性別を自由に変更できるジェンダーフリーな着せかえ人形が発売。バービー人形の玩具メーカーが手掛ける

文:佐郷顕
子どもたちの遊び道具として、長年愛され続けている着せ替え人形。
多様な性別のあり方が受け入れられつつある...

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文:佐郷顕

子どもたちの遊び道具として、長年愛され続けている着せ替え人形。

多様な性別のあり方が受け入れられつつある現代社会に則した、新しい着せ替え人形が発売され、SNS上で話題を呼んでいる。

男女両方に着せ替えられるジェンダーフリーな人形

バービー人形などを展開する米玩具メーカー、マテル社が新たに発売した着せ替え人形「クリエイタブル・ワールド」は、中性的な外見のドールにさまざまなウィッグや洋服、アクセサリーなどを身に着けさせることができる。ロングヘア―やショートヘア―、ズボンやスカートなど、使うアイテムによって流動的に性別を変えられるのが特徴だ。

マテル社のデザインスタジオで副社長を務めるキム・カルモーネ氏は、プレスリリースで「この商品を通じて、着せ替え人形で遊ぶ目的や、そもそも誰のための着せ替え人形なのかについて、より多くの人に考えてもらいたいです」と述べ、「多様な性のあり方について世界が賛同し始めている今が、偏見や細々したルールのない新しい着せ替え人形を発売する良い機会でした」と明かした。

さらに「子どもたちは人形遊びで性別に縛られるのを望みません」とし、クリエイタブル・ワールドはそのような需要に応えた商品であることをアピールした。

小児科医のチームなどと意見を交わし制作

マテル社は性的に中立な人形を実現するために、小児科医で作家のカーラ・ナターソンさんを含む小児科医のチームと意見を交わし制作。専門家や親、心理学者、子どもらで構成された専門チームとも話し合い、人形の肌の色は6種類に決まった。

ナターソンさんは「このような着せ替え人形があれば、どのような子どもでも気兼ねなく遊べるようになります」と『Daily Mail』 の取材で答えた。「調査によると、子どもたちは自分のおもちゃを性別のルールに縛られたくないと感じています。この人形を通して自由に自分自身を表現できています。これが子どもたちから強く共感を得ている理由でしょう」とも。

現在クリエイタブル・ワールドは、マテル社やその他大手オンラインストアなどで、29ドル99セント(約3200円)で販売されている。

男女の性差から解放され、自由な性のあり方を認めてくれる着せ替え人形の登場は、より多くの子どもたちの笑顔に導く文化的発展と言えるだろう。