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文:岩見旦
夏といえばカルピス。一昔前までは瓶入りのものが定番で、水で希釈して飲まれていたベストセラー飲料だ。今ではコンビニで手軽に買えるようになった。
そんなカルピスは飲むと、口の中に白い塊が残った経験のある人も多いはず。この白い塊に関する話題がSNS上で注目を集めている。
カルピスの白い塊の正体
そもそも、カルピスを飲むと出来る白い塊とは何なのだろうか。カルピスを取り扱うアサヒ飲料のお客様相談室によると、あの白い塊は、カルピスの中に含まれるカゼインというタンパク質と、唾液に含まれる成分が反応して出来たもの。身体に悪い影響が出る類のものではなく、胃の中で消化される。ただし、唾液の成分は個人差があるため、塊の出来る人と出来ない人がいるとのこと。
ところが、最近カルピスを飲んでも、この白い塊を感じる機会が減っているのではないだろうか。実はカルピスは大きな進化を遂げていたのだ。
大豆多糖類が加えられ、白い塊が出来づらく
8月17日、あるTwitterユーザーが、「昔のカルピスは飲んだら口の中に白い塊が出来ていたけど、今は改良されて白い塊が出来なくなっていたの、知っていますか?」と投稿。このツイートは2万件を超えるリツイートを記録した(現在は削除済み)。
「言われてみれば確かに」「カルピスの塊、懐かしい」「大人になったから出来なくなったのかと思ってた」など、多数のコメントが寄せられ大きな反響を呼んだ。
カルピスが改良されたのは、今から遡ること17年前の2002年。2017年放送のTBS『この差って何ですか?』によると、白い塊を出来づらくするため、カルピスの中のカゼインと唾液に含まれる成分(ルチン)の結合を防ぐ大豆多糖類がカルピスに加えられたという。
白い塊が出来づらくなり、飲みやすくなったカルピス。しかし、SNS上には「あの白い塊が好きだった」「白い塊がなくなって寂しい」など、今は亡き白い塊を懐かしむ声も挙がった。むしろ、今あえて白い塊が出来やすいカルピスを販売したら、意外と売れるかもしれない。