文:岩見旦
マーベル・シネマティック・ユニバースで人気を博しているアイアンマンことトニー・スタークは、巨大軍需企業の社長にして天才発明家。自身が開発したパワードスーツは高い耐久性を誇る上、装着すると空を自由に飛び回ることができる。
もちろんコミックスや映画の話であり、実際には存在しない。ところが、このパワードスーツを本当に作った人がいる話題になっている。
CGなしで空を飛ぶアイアンマン
まずはパワードスーツを装着し、空を舞っている映像を見ていただきたい。直立姿勢のままゆっくり飛び上がり、そのまま倉庫の中に移動。台の上に見事飛び乗った。
このパワードスーツを開発したのは、ディスカバリーチャンネルの人気番組『怪しい伝説』で司会を務めていたアダム・サヴェッジ氏。高い技術力でユニークな検証を行うサヴェッジ氏が、新番組『サヴェッジ・ビルズ』の第一回の企画として作ったのが、このアイアンマンのパワードスーツだ。
防弾機能も抜群
アイアンマンといえど、このパワードスーツは鉄で出来ているわけではない。鉄より強度が高く、比重の軽いチタン製だ。マーベルから直にもらったパワードスーツのデータを元に、コロラド鉱山学校のチームの協力を受け、特殊な3Dプリンタで作ったという。
そんなパワードスーツは防弾機能にも優れている。22.9mmと45口径の銃弾をパワードスーツに打ち込むテストを行ったところ、スーツが多少傷ついただけで、貫通することはなかったというから驚きだ。
1000馬力のミニジェットエンジン5基搭載
このパワードスーツには腕に4基、背中に1基、計5基の1000馬力のミニジェットエンジンが搭載されている。これはサヴェッジ氏の友人であるイギリス人発明家のリチャード・ブラウニング氏が運営するグラビティ・インダストリー社から提供されたものだ。
そんなパワードスーツを操るのには、かなりの練習が必要なようで、サヴェッジ氏はチャレンジしてみるも、なかなかうまく飛べない。そこでブラウニング氏にバトンタッチし、地上15フィート(約4.5メートル)のホバリングを成功させた。
サヴェッジ氏は『CNET』に、「大げさに聞こえるかもしれないが、誓っていう。もしトニー・スタークが架空の人物ではなく、今アイアンマンのスーツを作ったとするならば、彼はこの方法でこの技術を使ったに違いない」と語った。
リアル・アイアンマンが誕生する日もそう遠くないのかもしれない。