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Appleは、プロユーザーが待望していた新型「Mac Pro」をWWDC2019で発表した。Mac史上最高のパフォーマンスを発揮するこの高性能マシンは拡張性にも優れており、プロの様々なニーズにも柔軟に対応可能。同時発表された32インチ、6K、HDR対応のハイエンドディスプレイ「Pro Display XDR」と組み合わせれば最強のクリエイティブ環境を構築できるだろう。
伊藤僑
Free-lance Writer / Editor
IT、ビジネス、ライフスタイル、ガジェット関連を中心に執筆。現代用語辞典imidasでは2000年版より情報セキュリティを担当する。SE/30からのMacユーザー。著書に「ビジネスマンの今さら聞けないネットセキュリティ〜パソコンで失敗しないための39の鉄則〜」(ダイヤモンド社)などがある。
Mac史上最高のパフォーマンスを発揮する新型「Mac Pro」
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最大28コアのIntel Xeon(2.5GHz)を搭載可能な新型「Mac Pro」は、最高のCPUパフォーマンスを必要とするプロのために設計されており、メモリ(2933MHz DDR4 ECC)の最大容量は1.5TB。GPUにはAMD Radeon Pro Vega II(14 teraflops 32GB HBM2) Duoを搭載可能で、ProRes/ProRes RAW形式の映像コーデック専用アクセラレータ「Afterburner」も装着できる。電源ユニットは1.4kW。
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そのパフォーマンスは、8K映像を3本、4K映像なら12本同時再生可能という。
ステージ上では、実際に楽曲制作ソフト「Logic」を使ったデモンストレーションも行われた。数百ものトラックをスムーズに演奏するその性能に、会場からは大きな拍手が巻き起こった。動画編集ソフト「FinalCut」のデモでは、8K Pro Res Raw映像の編集を披露している。
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最高のパフォーマンスを発揮するためには、放熱対策も欠かせない。そのためMac Proの筐体は穴だらけだ。しかも、単なる穴ではなく、穴の内側にさらに穴がある独特の形状になっている。3つの大型ファンと特殊構造の穴によって大量の空気を吸排気することで、高性能なマシンが発する熱を効率的に排出しているようだ。にもかかわらず、優れた静音性も保たれているという。
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拡張性に優れたそのボディは、アルミニウム製の筐体がステンレス製のスペースフレームを囲むように作られており、あらゆるパーツへ360度のアクセスが可能になっている。移動を容易にするために、別売りでキャスターが用意されているのもプロ仕様ならではだろう。ラック搭載タイプも用意される見込みだ。
発売は今秋の予定で、価格は5999ドル(8-core Xeon / 32GB / Radeon Pro 580X / 256GB SSD)から。
32インチ、6K、HDR対応のディスプレイ「Pro Display XDR」
新型「Mac Pro」と組み合わせて使うための、32インチ、Retina6K、HDR対応、P3対応、ピーク輝度1600nits、全体輝度1000nitsという驚くべきスペックを実現したハイエンドのプロフェッショナル向けディスプレイ「Pro Display XDR」も同時に披露された。
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Pro Display XDRは、高輝度・高コントラストを維持するために必要な576個のLED群による発熱を冷却するために、Mac Pro同様に廃熱を重視した穴だらけのデザインを採用。外部インタフェースとしては、Thunderbolt3が4つ用意されている。
専用のPro Standに装着すれば画面を回転することが可能で、ポートレートモード(縦表示)にも対応する。
新型Mac Proは、このPro Display XDRを6台、MacBook Proは2台繋げて使うことが出来るという。
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新型Mac Pro同様、発売は今秋の予定で、価格は4999ドル。専用のプロスタンドは999ドル。