文:岩見旦
2018年の全米オープン、2019年の全豪オープンと、テニスの4大大会で2連覇し、グランドスラム3大会連続優勝に期待がかかる女子テニス世界ランキング1位の大坂なおみ選手。実力も去ることながら、その飾らない立ち立ち振舞や「なおみ節」との呼ばれるユーモア溢れる独特の受け答えも人気だ。
そんな大坂選手が出演する「ナイキ」のCM「大坂なおみ - QUESTION/RETURN」が公開され、SNS上で大きな注目を集めている。
大坂選手出演のナイキのCMがSNS上で話題
大坂選手がコートの中で激しくテニスの練習に打ち込んでいると、バックから「ナオミさん、今、意識している選手はいますか?」「最大のライバルは誰ですか?」「ハードコートのスペシャリストと呼ばれていますが?」といった複数の記者からの質問の声が矢継ぎ早に飛び出す。特に、日本人記者からは「何か賞金で買いたい物はありますか?」「日本語で答えて下さい」「またこの後もカツ丼食べますか?」と、テニスとは関係のないくだらない質問ばかり。これらの質問は、実際に過去の記者会見で大坂選手に投げかけられたものだ。
怒涛のように押し寄せる質問に、大坂選手は唇の前に人差し指を立て、「しーーーっ!」と一蹴。練習の邪魔をしないでとばかりに、再びコートに向かった。「世界を変える。自分を変えずに。」というメッセージを打ち出した30秒間のCMだ。
世界的テニスプレイヤーとして尊重を
このCMが公開されるやいなや、SNS上では大きな話題となり、「カッコいい!しびれたわ」「ナイキのこのセンスはすごい」「世界に煽られる日本のマスコミ」「日本の記者が最もくだらない質問をしていることが、こっそり強調されている」などのコメントが寄せられた。
大坂選手へのマスコミの質問のレベルの低さは、これまで多数指摘されており、過去には日本人の母とハイチ人の父を持つ大坂選手への、アイデンティティに関する無茶な質問に、大坂選手は「私は私であるとしか思いません」とムッとした表情で答えたという一幕も。
マスコミは大坂選手に限らずその人のパーソナリティに迫る下世話な質問を投げかけがちではあるが、そこは世界的テニスプレイヤーとしてのスタンスを尊重すべきはないだろうか。