ロレッタ・フェルナンデス助教授
文:reisuke
4月から全戸配布が始まった布マスク。海外でもナイキやGAPなどの人気ブランドが、布マスクの製造に乗り出した。しかし、布マスクはサージカルマスクに比べ、一般的にフィルター効果が弱いとされている。
そんな中、米国の公共のラジオネットワークである『ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)』が、手軽な方法で布マスクの効果を上げることが出来ると報じ、話題を集めている。
ストッキングを重ねると15%~30%、フィルター効果が向上
米国ノースイースター大学土木環境工学のロレッタ・フェルナンデス助教授ら研究チームは、ナイロン製のストッキングを布マスクに重ねることで、フィルター効果が向上すると明らかにした。その効果は医療用のサージカルマスクか、それ以上だという。
研究チームは、ボストン地域の病院に寄付するためにマスクを手作りしているボランティアの協力を得て、サージカルマスクのフィルター効果をテストする装置で研究を行った。すると、手作りマスクのフィルター効果はそれぞれ大きくことなり、粒子除去率が30%未満しかないものもあったという。しかし、パンストを重ねることで、15%~50%効果が向上したとのこと。
フェルナンデス助教授は、「ストッキングを重ねてマスクを密着させると、フィルター効果が向上します」「フィルター効果はマスクの素材だけが問題ではありません。マスクが顔にしっかりと密着することで、マスクの横から空気が漏れるのを防ぎます」と語る。
ストッキングを重ねるといってもイメージしにくいかもしれないが、まずストッキングを20センチ~25センチ筒状にカット。そして、リング状のヘアバンドのように頭から被り、布マスクの上にストッキングを引き下げれば、顔にしっかりフィットする。サイズが大きい方が呼吸しやすいとのこと。