EVENT | 2020/05/13

テクノロジーに「自由の制限」を求める人、テクノロジーを「自由の拡張」につなげる人【連載】高須正和の「テクノロジーから見える社会の変化」(3)

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シンガポールのチャイナタウンで市民が作った張り紙。「コロナにかかった馬鹿野郎ども、おとなしく家にい...

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コロナ以後に改めて問われる「個人の自由」の範囲

自由を担保することと社会保障は、完全にセットではありません。自由にチャレンジした結果として、他人の世話になることはあります。また、明らかに他人の迷惑になることを社会でどのぐらい許すかは、親と子供の関係や、会社と社員の関係のように、よく出てくる問題です。螺旋状に進化する、そのスパイラルのどの部分にいるかは、国の成り立ちや文化の影響も受けます。

新型コロナウィルスは、世間を社会と個人の関係に注目させました。

新型コロナウィルスは、普段通りの生活をしていると感染が拡大します。潜伏期間や無症状の感染者もいるようなので、「なるべく人と会わない」が最善の対策です。その上で衛生や殺菌があります。

今も国民が銃を持ち歩ける珍しい先進国であるアメリカは、個人の自由をなるべく担保しようとしている結果、最大の感染拡大を迎えている中で、今も密集したデモが行われているようです。それはそれで一つの文明のあり方だと思います。

ほとんどのテナントが閉鎖され、モール自体にも入場制限がかかっているシンガポールのショッピングモール

アジアには強制的に人と会う場所を封鎖した国々が多く、多くの国が少ない感染者で乗り切っています。どの程度個人の振る舞いを社会が強制できるかは国の制度によって違います。僕は都市封鎖中(シンガポール政府の言葉ではサーキットブレイカー)のシンガポールにしばらく滞在していたのですが、生活必需の一部サービスを除いて「リモートワークが可能であるのにしていない会社」は罰金(政府の役人が見回りに来る)が課されますし、マスクなしで街を出歩いたら罰金、誰かとバッタリ会って立ち話をしていたら罰金など、かなり強制力を伴う措置が行われました。

飲食店がこっそり店内飲食をしてないか、待ち行列は感覚をあけてるか、等をチェックに来るシンガポール政府のスタッフ

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