文:小林ペコオ
新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの医療現場では医療服やマスクの不足が深刻な問題となっている。
そんな中、医療従事者を支えるハンディキャップを抱えた女性が、SNS上で注目を集めている。
足を腕の代わりにミシンでマスクを編む女性
マレーシア・ペラ州出身のノルファラ・シャヒラ・シャーリさん(32歳)は、両腕を持たずに生まれてきた。周囲の人々は、彼女が一生ハンディキャップを背負って生きていかざるを得ないと考えていた。しかし、適応力の高いシャーリさんはそのハンディキャップに負けずに、代わりに足を使って食事や車の運転など多くのことに対応してきた。
現在、シャーリさんは地元のボランティア団体に参加し、新型コロナウイルスに感染した人のケアをする医療従事者のために、両足でミシンを巧みに操ってマスクや防護服を作り続けている。マレーシアでも日本同様、医療従事者を保護する医療道具が不足しており、シャーリさんたちの活動は大きな助けとなっているという。
シャーリさんは、先月11日にFacebookに両足でミシンを巧みに操って縫製する姿を投稿。すると、1100件を超える「いいね!」が寄せられ、多くの称賛の声があがった。ミシンを使えるようになったきっかけを、シャーリさんは『New Straits Time』の取材に「私は足を使って日常生活の要求に適応することを学ばなければなりません。8年前、自分のために特別な服を作る必要があったので、独学で仕立てを学びました」と明かした。
また、「どうやって針に糸を通すのかと聞かれることもあります。最初はとても難しく、忍耐も必要でしたが、なんとかやり遂げました。今では、足を使って針に糸を通すのに1秒しかかかりません」とも。ミシンの使い方をFacebookに投稿したのも、どのように縫っているのか見てみたいとの声に応えたからだった。