ITEM | 2020/04/16

消毒液代わりに備えておきたい。消毒利用可能な各国の高濃度アルコール酒まとめ

文:武者良太
酒も消毒液代わりに使えると厚労省が認めた
消毒用アルコールの入手が難しい日々が続くが、4月10日、厚労...

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文:武者良太

酒も消毒液代わりに使えると厚労省が認めた

消毒用アルコールの入手が難しい日々が続くが、4月10日、厚労省が一般社団法人日本病院会、各都道府県衛生主管部(局)に向けて、高濃度エタノール製品を消毒用アルコールの代替品として使用することは差し支えない、という事務連絡「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う高濃度エタノール製品の使用について」を発した(ただ「やむを得ない場合に限り」とも言及している)。

高濃度エタノール製品とは、すなわちアルコール度数の高い酒のことを指す。「メイリの65%」(明利酒類・アルコール度数65%)、「SPIRITS66」(笹の川酒造・66%)、「アルコール77」(菊水酒造・77%)、「砺波野スピリット77%」(若鶴酒造・77%)など、2020年3月以降日本の酒造メーカーがいくつものアルコール度数の高い酒をリリースしているが、厚労省の判断によれば70~83%の酒は「アルコール77」「砺波野スピリット77%」はそのまま消毒用として使っていいということになる。

海外を見渡せば、ほかにもアルコール度数の高い酒が存在している。もっとも有名なのは「スピリタス」(ポーランド・96度)だろう。簡単に火がついてしまうほどの高濃度で、現地ではタバコ厳禁の酒として知られており、古くから消毒用アルコールとしても使われてきた。なお、消毒に使用するためのアルコール度数は70~83%が最適で、これ以上高くても殺菌効果は落ちてしまう。スピリタスを使う場合は、3~4:水1の割合で希釈するといい。

アルコール度数の高い酒を紹介

以下、蒸留所がなくなりデッドストック品のみの流通となっている酒もあるが、各国の代表的なアルコール度数の高い酒となる。

エバークリア(アメリカ・95度)
ゴッチェ・インペリアル(イタリア・92度)
ポティーン(アイルランド・90度)
ハプスブルグ・アブサン・エクストラストロング(ブルガリア・89.9度)
ピンセールシャンハイストレングス(スコットランド・88.8度)
ドーバースピリッツ(日本・88度)
バルカン176(ブルガリア・88度)
ケイデンヘッド・エンモア(フランス75.7度)
ロンリコ151(プエルトルコ・75.5度)
レモンハート・デメララ151(ガイアナ・75.5度)
ゴスリング・ブラックシール151(バミューダ・75.5度)
アブサン・カプリシューズ(スイス・72度)

これからも消毒用アルコールの入手難が続くようであれば、家庭でもこれらの酒を常備しておきたい。

酒は飲むもの

なお実際に飲む際は、水や割材を用意したい。特にアルコール度数が80%を超えるものを、ストレートで飲むことはまずない。もともとの味はスパイシーなもの、甘みを感じるものなど様々だが、共通して喉から胃にかけて焼けるような感覚を覚えるもので、よほどのスノッブでなければ水割りやソーダ割りにしたほうがいい。

果実の風味を引き立てやすいので、カクテルベースとしても人気。個人的にはスピリタスを炭酸水で割り、粗挽きの黒胡椒をふりかけてスパイシーさをトッピングするのがおすすめだ。