文:岩井聡史
小さい子どもがおもちゃの車に乗って、遊んでいる姿を見たことのある人は多いだろう。
しかし、オーストラリアでは意外な生き物がおもちゃの車に乗っていたとSNS上で話題を集めている。
ベンツに乗った犬を警察官を目撃
先月、地元の警察官がハイデルベル・クウエスト通りを運転していると、おもちゃ用のベンツを目撃した。その車に乗っていたのは、なんと毛むくじゃらの犬。警察官は驚いて、思わず立ち止まった。
犬が乗る車を発見したのは、警察官のリンダ・ギブレットさん。彼女は『Herald Sun』 に「珍しい光景に目を疑いました」と、その時の心境を語った。そして「もちろん、立ち止まって調べなければなりませんでした」と付け加えた。「あまりに可愛すぎたから職務質問してしまいました」とも。
当然のことながら、おもちゃの車とはいえ、犬が自ら運転していたわけではない。この車はラジコン操作することができ、後ろには飼い主が付いていた。しかし、なぜ飼い主は犬をおもちゃの車に乗せていたのだろうか? そこには心温まる理由があった。
目と耳が不自由なペットを想う飼い主
実はこの犬は人間の年齢に換算すると107歳というかなりの老齢だったのだ。もう目も耳も不自由で、散歩もままならない状態だったという。しかし飼い主は、愛すべきペットに、外の新鮮な空気を吸わせてあげたいと考えたのだ。
もちろん、警察官も飼い主と犬を無免許で捕まえることなく、解放した。「私たちをとても楽しませてくれました」とギブレットさん。この奇妙な散歩の裏には、飼い主がペットを思いやる温かい心と粋な計らいがあったのだ。