CULTURE | 2020/01/10

神社のお賽銭はいくらが正解?ご縁があるよう5円玉? 出雲大社の公式回答が俗説を一刀両断

Photo By Shutterstock
新年を迎え、今年のお正月に初詣に行った人も多いだろう。1年の無事や幸せを祈...

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

Photo By Shutterstock

新年を迎え、今年のお正月に初詣に行った人も多いだろう。1年の無事や幸せを祈願する参拝客で、神社やお寺が大いに賑わう。明治神宮、川崎大師、成田山新勝寺には毎年約300万人も訪れる。

さて参拝の際、まずは賽銭箱にお金を投入するが、この金額はいくらが正解なのだろうか? 

巷に溢れる語呂合わせのお賽銭マナー

お賽銭というと、「ご縁(5円)がありますように」という語呂合わせで、5円玉を入れると縁起がいいと聞いたことがあるだろう。

ネット記事をリサーチしてみると、この他に「二重にご縁(25円)がありますように」「始終ご縁(45円)がありますように」「四方八方からご縁(485円)がありますように」といった金額が賽銭として良いとされているようだ。一方、500円玉は「これ以上大きな効果(硬貨)がない」という意味になるので、500円玉はふさわしくないとする記事もある。

出雲大社「語呂合わせで左右されない」

果たして、正しい賽銭の金額はいくらなのだろうか? そんな疑問に、出雲大社の公式サイトで回答を掲載している。日本有数の神社である出雲大社の回答なだけに重要な見解と見ていいだろう。

そこには、上記の作法を「まったく根拠のないおもしろおかしくしようとの“ためにする”語呂合わせにすぎません」と全否定。さらに、「大切なのは神様に対して真摯な気持ちでお祈りをし、その気持ちをもって日々の生活を送ることです」と述べ、「祈りの心はお賽銭の金額によって、まして変な語呂合わせで左右されるものではありません」と一刀両断した。

そもそも賽銭箱が置かれたのは近世以降であり、さらに500円玉が誕生したのは1982年。お賽銭のマナーは古くから伝わる伝統というわけではなさそうだ。それでももし賽銭額について疑問に感じた場合は、神主の方に直接相談することをおすすめする。

文:岩見旦


2022年12月28日更新(初出は2020年1月10日)