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文:岩見旦
コーヒーを注文した時、カップのラベルにメッセージが書いてあるのを見たことがあるだろう。バリスタの心遣いを感じることができる。
しかし、そんなカップのメッセージがアメリカで大きな問題を引き起こしている。
スタバのコーヒーカップに「豚」
昨年11月、米国オクラホマ州のあるスターバックスの店舗で、同州キーファー警察の警察官がコーヒーを注文したところ、カップに「PIG(豚)」という文字が印字されていた。警察官と市民のいざこざが耐えないアメリカでは、警察官は「PIG」と蔑称で呼ばれることがある。キーファー警察の署長のジョニー・オマラ氏が写真付きでFacebookに投稿し、明らかとなった。
この一件を受け、スターバックスは「この事態は絶対に容認できないことであり、被害にあった警察官に深くお詫びを申し上げます」と謝罪の声明文を発表する事態に発展。『FOX25』によると、担当したバリスタは停職処分になったという。
マクドナルドでも発生するも、でっち上げと判明
翌月、またしてもアメリカで同様の事件が起きた。米国カンザス州のヘリントン警察の警察官は、同州ジャンクションシティのマクドナルドでコーヒーを注文。するとそのラベルには「F**cking Pig」とメッセージが書き込まれていた。
ヘリントン警察の署長ブライアン・ホーナデー氏は、自身のFacebookに「私たちは日々このようなストレスを抱えています。市民のために働こうとしている最中、このような扱いを受けるのは苛立たしい」と怒りを顕にした。
しかし、事態は思わぬ方向へ転がっていく。このマクドナルドのオーナーは、スタッフが誰もカップに書いていない証拠があると明かした。あらゆる角度からの監視カメラの映像を徹底的に精査したところ、確信したという。
翌日、この話は警察官による自作自演であることが発覚。ホーナデー氏は「この一件は警察官によって完全に単独で捏造されたものであり、すでに解雇されている」と述べた。
『KSNT News』によると、この警察官は23歳で、この警察署に2カ月間在籍。それ以前は5年間アメリカ陸軍に従事していたという。このでっち上げをジョークだったと語ったというが、「全米の法執行機関に携わる人たちにとって大きな汚点であることを、この警察官は理解して欲しい」とホーナデー氏。
警察と市民のトラブルはアメリカだけでなく、日本でも起きているが、お互い信頼を持てるような関係性を築いてほしい。