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文:岩見旦
『機動戦士ガンダム』や『新世紀エヴァンゲリオン』、『コードギアス 反逆のルルーシュ』など、いつの時代も私たちの心を熱く燃えたぎらせるロボットアニメ。
近未来や異世界を舞台にしているにも関わらず、科学的に説明される動力源や兵器を使うロボットが登場したり、複雑な人間模様が繰り広げられるなど、リアリティのある演出の作品が多数存在する。
しかしどのロボットアニメにも、一見そんなリアリティとは程遠いようなシーンが存在する。それは、大声で叫ぶ一幕だ。「ロケットパーンチ!」(マジンガーZ)、「ゲッタービーム!」(ゲッターロボ)、「石破!ラーブラブ!天驚拳!」(機動武闘伝Gガンダム)、「創聖合体!Goアクエリオン!」(創聖のアクエリオン)など、合体や必殺技などのタイミングで、キャラクターはよく絶叫する。果たして、この行動には必然性があるのだろうか?
この疑問に、元自衛隊が真剣に答えたとの投稿が話題だ。
復唱でロボットの操作ミスを防ぐ
あるTwitterユーザーが飲み会で、ロボットアニメの話題に花を咲かせていた。そこで、「合体したり必殺武器を使うとき、大声で叫ぶのって必要?」と疑問を投げかけた。すると、自衛隊にいた経験のある参加者が「戦車の砲塔を動かすだけでも車内はすごい音がするし、操作ミスを防ぐのに復唱はとても有効なので理にかなっていると思う」と答えたという。
10日に投稿されたこの飲み会の体験談は、現在4万件ものリツイートを記録。「まさかのマジレス」「すごい豆知識」「プロは言うことが違う」など、思わず納得した人からのコメントが寄せられた。
さらに、現役で戦車に乗っているという自衛隊員というTwitterユーザーからは、上記の理由に加えて、乗員同士が見えにくい戦車の中で「今何をしてるのか、どういう操作をしているのか、準備が出来ているのかなどを、他の乗員に知らせるという意味もある」と補足。
またSNS上では、ロボットには音声認識機能があるのではないかという意見も挙がった。独特の抑揚で話さないとロボットの必殺技が選択できないといった機能により、バトル中に操縦桿から手を離さず操作できる上、基地内や市街地での誤作動防止も期待できそうだ。巨大な金属が猛スピードでぶつかりあうコックピットの中はかなりの騒音なはずで、大声で叫ばなければならないのも頷ける。
一見アニメならではの演出と思われていた「大声で叫ぶ」というシーンは、実は理にかなっているようだ。