CULTURE | 2019/03/25

渋谷の工事中の囲いに描かれた、全長200mのアート作品に感動の嵐「自然に涙が溢れる」

文:岩見旦

渋谷から原宿にかけて、山手線沿いに位置する宮下公園。現在再開発中であり、工事が行われている。そんな宮下...

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文:岩見旦

渋谷から原宿にかけて、山手線沿いに位置する宮下公園。現在再開発中であり、工事が行われている。そんな宮下公園の周りに設置された囲いに描かれたアート作品が今、SNS上で大きな話題になっている。

宮下公園の再開発の囲いにストーリー仕立てのイラスト

明治通りのケヤキ並木に設置された囲いの大きさは、高さ3m全長200m。この囲いを巨大なキャンパスに見立てて、ストーリー仕立てのイラストがスケッチされている。タイトルは「A day in the life shibuya」。

犬を連れた女の子が、渋谷109やモヤイ像など渋谷の街を散歩している。しかし、途中で女の子と犬がはぐれてしまう。渋谷にいるさまざまな人の助けを借りて、2人が再会するという心温まるストーリー。障害者やLGBTの人など、のべ50人以上が登場する大作だ。

「渋谷がちょっと好きになった」SNSに大反響

舞台役者の今治ゆかさんが24日、自身のTwitterに「普通に道歩いていて、泣いてしまった」というコメントとともに、このアート作品を紹介。すると瞬く間に拡散され、現在約9万件ものリツイートを獲得。「自然に涙が溢れる」「素敵すぎる」「渋谷がちょっと好きになった」などの感動した人からのコメントが殺到した。

さらに、「日本語がわからない、渋谷に来ている外国人もわかっていい」「忠犬ハチ公は主人に二度と会えなかったけど、この女の子と犬はハチ公の前で再会できた」といった意見も寄せられた。

込められた未来志向のメッセージ

このアート作品を手がけたのは、NPO法人「365ブンノイチ」。学生を含む総勢200人が制作にあたり、下書きから本塗り作業まで2カ月間かけて完成させたという。原画はイラストレーターの金安亮さん。

2015年に全国に先駆けて、同性同士のカップルのパートナーシップを公認した渋谷区。2020年の東京パラリンピックでは3つの車イス競技の会場になる予定だ。

このアート作品には、「多種多様な人たち、さまざまな価値観が、社会の発展につながるという、優しく、前向きな社会を応援する」という未来志向のメッセージが込められている。

新宮下公園は2020年3月完成予定。商業施設やホテルを整備した公園に生まれ変わる。今のうちに、このアート作品をその目でチェックしてほしい。


NPO法人「365ブンノイチ」