文:岩見旦
SF映画の金字塔『スター・ウォーズ』シリーズ。1977年に第1作が公開されて以来、国境や世代を超えて愛されてきた。米国カリフォルニア州のディズニーランドで映画を元にしたエリアが今年5月にオープンする予定であり、新作となるエピソード9が12月に公開を控えるなど、その勢いは衰えを知らない。
そんな『スター・ウォーズ』のフォースは、ドイツの大学教授をも狂わせてしまったようだ。
義理の父親や画家、教え子の協力を得る
ドイツにあるツヴァイブリュッケン応用化学大学の教授であるウーベルト・ツィット氏は『スター・ウォーズ』の熱狂的ファン。そんなツィット氏が、自然科学協会の天文台をR2-D2に改造してしまった。義理の父親や画家、数名の教え子の協力を得て、昨年9月に完成にこぎつけた。
この衝撃的な天文台に、『スター・ウォーズ』の主人公であるルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミルも、自身のTwitterに反応を示した。
SF作品の中に登場する技術をユニークに紹介
『スタートレック』や『スター・ウォーズ』などのSF作品の中には、さまざまな技術が登場する。そんな技術を独自の視点で紹介する講義で、世界的名声を得ているツィット氏。
元々電気工学を専攻し、ザールランド大学で電気工学のシステム理論で博士号を取得。その傍ら、SFポップカルチャーを広める活動を行ってきた。
1996年に、ツヴァイブリュッケン応用化学大学でクリスマス講演として最初の授業を行い、評判を得た。2005年以降は、さまざまな都市をめぐり大学や産業会議などで講義を展開。ヨーロッパ最大のSFイベント「FedCon」にも参加した。
2008年には、『スター・トレック』の生みの親として知られるジーン・ロッデンベリー氏の息子とともに書籍『ドイツのスター・トレック』の前書きを執筆し、一気に有名に。同年秋には、米国テキサス州のインカーネット・ワード大学で講師となり、「スター・トレックの物理学」を教えるようになった。
今回、巨大なR2-D2を完成させたツィット氏。これだけの大きさなら、宇宙からC3POが気付く日も近いかもしれない。