文:岩見旦
優雅で気品があり、どこか堅苦しいイメージのあるクラシック。正直ちょっと近寄りがたいと思っている人も多いはず。そんなクラシックの印象を一変される、4人の女性による演奏が、SNS上で話題になっている。
自由すぎるパフォーマンス
足早にステージに登場したチェリスト。バイオリニスト2人の前に立ちはだかると、突然速弾きを披露する。ドヤ顔で拍手を受けると、負けじとバイオリニストの1人も速弾きで対抗。ピアニストも参戦すると、チェリストとバイオリニストは背中に弓を通して演奏。もう1人のバイオリニストも参加し、四つ巴の様相に。
チェオを持ち上げて演奏したり、1本バイオリンを2人で演奏したり、イスに寝転んだ体勢でピアノを弾いたりやりたい放題。しかし、演奏は一切乱れない。会場からは、拍手喝采が巻き起こった。
ドイツのクラシック賞も受賞した実力派
この驚くべきパフォーマンスを披露したのは、ドイツ・ハンブルクに拠点を置く女性4人のカルテット「Salut Salon」。2002年に結成して以来、クラシック音楽はもちろん、フォークミュージックや映画音楽などを演奏してきた。紹介したアクロバットな演奏の他にも、人形劇のようなスタイルなど、ユニークな演奏も披露している。
ヨーロッパやアメリカ、カナダ、ロシアなど世界中で年間120回ものコンサートを開催。2016年にはドイツの主要なクラシック賞である「ECHO Klassik」の部門賞を受賞しており、実力も折り紙つきだ。
「まさに音を楽しむと書いて音楽」3万リツイートを獲得!
自身もチェリストだというTwitterユーザーが2月18日、「油断していたら裏切られた(笑)」というコメントとともに、Salut Salonの動画を紹介。
この投稿はあっという間に拡散され、3万を超えるリツイートを獲得。「ドヤ顔が最高」「久しぶりに大笑いした」「楽しすぎる」「まさに音を楽しむと書いて音楽」など、ユニークなパフォーマンスに魅了された人からのコメントが殺到した。5年前に投稿されたこの動画は、現在2500万再生されており、世界中から絶賛された。
Salut Salonも既存のクラシックという枠組みの中では、現在のような評価を得ることはきっと難しかっただろう。固定観念をいかに壊して、オリジナルの視点を持って行動することが、グローバルな活躍につながる重要なポイントだということを、改めて知らされる。