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文:岩見旦
ペットを家族のように扱っている人がいる一方、動物愛護センターにでは収容された犬猫が殺処分されているという事実がある。
そんな人間のエゴにより命を落としている犬猫を救うべく、殺処分をゼロにしようという名古屋市の取り組みが注目を集めている。
ふるさと納税で犬猫の命が救える!
その取り組みとは、ふるさと納税の制度を利用し、動物愛護センターへの寄附を募るというもの。「目指せ殺処分ゼロ! 犬猫サポート寄附金」という名称で実施している。
寄附の方法は、まず名古屋市の公式サイトから申出書をダウンロード。必要事項を記入し、郵送・ファックス・メールなどで申し込む。折り返し送られてきた寄附金納付書を使い、金融機関で入金の手続きを行うというもの。
確定申告の際に、寄附金納付書の領収書を確定申告書に添付することで、税金が控除されるという仕組みだ。
寄附した人には動物愛護センターの活動レポートが送付され、また了承した人については名前やハンドルネームなどが公式サイトに掲載される。さらに1万円以上の寄附した人は、動物愛護センター愛護館で名前やハンドルネームを顕彰し、オリジナルバッジが送られる。
このようにして集められた「目指せ殺処分ゼロ! 犬猫サポート寄附金」は子猫のミルク、エサ、ペットシーツや薬品の購入費用、譲渡ボランティアへの支援物資に充てられる。
名古屋市は犬の殺処分ゼロを達成!
名古屋市は、譲渡ボランティアによる粘り強い活動の甲斐もあり、2016年より犬の殺処分ゼロを達成している。しかし、猫に関しては現在でも殺処分が続いている。特に今年度は殺処分した猫が161匹(昨年12月末時点)に上り、4年ぶりに増加に転じている。
名古屋市は今後、動物愛護センターの“ガス室”を撤去し、新たに犬や猫の収容施設を設ける方針だ。殺処分ゼロへの歩みは着実に進んでいる。
「この調子で猫も頼む」SNSで称賛のコメント
名古屋市の驚くべき発想の殺処分対策が、2月下旬にSNS上で大きな話題に。「素晴らしいアイデア」「これが本来のふるさと納税であるべき」「名古屋市民だけど知らなかった」「この調子で猫も頼む」など称賛のコメントが続出している。
人間の身勝手な理由で犬猫の殺処分は、本来行ってはならない。これをきっかけにペットを飼うことの責任、犬猫の命の重さを改めて考えてほしい。