(C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会
文:岩見旦
あの『シティーハンター』が2019年、新たな展開を迎えている。
1985年から『週刊少年ジャンプ』で連載された北条司によるアクションコメディ漫画『シティーハンター』。原作発行部数は5000万部を超え、日本だけでなく世界中で人気を博している。そんな『シティーハンター』が日本はだけでなく世界から熱視線を集めているのだ。
20年の時を越えて劇場版で蘇る!キャッツアイの奇跡の復活に歓喜の声
『シティーハンター』が長編アニメーション映画として、今年2月8日に全国公開される。その名も『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』。20年ぶりの新作とあって、大きな盛り上がりを見せている。
本作では冴羽獠の役を神谷明、槇村香の役を伊倉一恵と、テレビアニメ版の声優が続投。さらに、アニメーション制作は引き続きサンライズが手がけ、TVシリーズなどで監督を務めたこだま兼嗣が総監督を担当する。また、本作のエンディングテーマにはおなじみTM NETWORK「Get Wild」が起用された。
さらにファンを驚かせたのは、北条司のデビュー作『キャッツ♥アイ』より、「怪盗キャッツアイ」こと瞳、泪、愛の3姉妹が本作に登場することだ。『シティーハンター』と『キャッツ♥アイ』の世界は繋がっているのではないか、と以前からファンの間では噂されてきたが、これまで両者の関係は特に明言されてこなかった。
しかし、今回北条からのアイデアで、「海坊主たちが働く店のオーナーが3姉妹」という設定が加えられ、2つの漫画の世界が繋がることになった。
(C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会
また、「怪盗キャッツアイ」の次女・瞳の役を戸田恵子、三女・愛の役を坂本千夏が、アニメから継続して担当。長女・泪の声優をつとめていた藤田淑子が昨年末亡くなったため、戸田恵子が二役を演じることにも注目が集まった。
シティーハンター、フランスで実写映画化!驚異の再現度が話題に
フランスでは、『シティーハンター』の実写映画『ニッキー・ラルソン』が今年2月6日に公開予定だ。『ニッキー・ランソン』とは、フランス版の冴羽獠の名前で、本作のタイトルとして起用されている。
漫画の実写化、しかも冴羽獠を白人が演じるとあって、心配の声が上がっていた。しかし予告編が公開されると、その圧倒的な再現度の高さから、原作ファンも高く評価している様子だ。
そもそも、なぜフランスで『シティーハンター』が人気なのだろうか。それは90年代に遡る。フランスで『クラブ・ドロテ』という子供向けエンタメ番組で日本のアニメが紹介され、その中で放送されていた『シティーハンター』が人気を集めていたのだ。1980年生まれである監督・主演のフィリップ・ラショーは、この番組を見て影響を受けた「ドロテ世代」として知られている。
また当時『シティーハンター』の放送時、フランス側の検閲により暴力シーンや過度に性的なシーンはカットされたという。そのため、結果として子供から大人まで幅広い世代に親しまれる作品に成長したという意見もある。
昨年10月に開催された「Comic Con Paris」では、北条司やフィリップ・ラショーの登壇した『ニッキー・ラルソン』のイベントで250席の会場に300人以上が詰めかけ、入場規制がかかった。フランスでの根強い『シティーハンター』人気が証明された形だ。
平成最後の一年は、『シティーハンター』から目が離せなくなるそうだ。
アニメ「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」公式サイト