文:岩見旦
「年齢が確認できるものをお願いします」
居酒屋などアルコールを提供する飲食店を利用する時に、煩わしいのが年齢確認。運転免許証など身分証を持っていないと、入店できないことも。飲食店側にとっても未成年のアルコール提供は大きなペナルティがあり、立件された場合、罰金刑が課せられるほか、行政処分として営業停止になることも。
しかし、そんなトラブルが今後、AI技術で解消されるかもしれない。
AI搭載クラウドカメラで、未成年へのアルコール提供を防げ!
株式会社チャオは、養老乃瀧が経営する「一軒め酒場 新橋店」で、AI搭載のクラウドカメラ「Ciao Camera(チャオカメラ)」を活用した年齢確認における実証実験を実施。未成年の検知率は96.1%と発表した。
チャオはまず、Amazonの提供する「AWS Rekognition Image」の顔認識機能を最大限に活用し、サービスを構築。AIが画像に写っている人物の顔を識別し、推定年齢を算出し、年齢が低いと判断されると、店員に通知が行くというもの。入店する数秒間の短い間に複数の顔画像を撮影し、それらの結果を総合的に判断する手法を取ったが、未成年の検知率は90.7%にとどまった。
AIのディープラーニングで、検知率96.1%を実現!
続いて、精度向上と通知までの時間の短縮を目指し、ディープラーニングによる独自の識別エンジンを構築。「AWS Rekognition Image」の判別結果を人手で精査した後、AIが学習し、初期の判別器を作成した。
その後も、大量のデータをAIが学習し、さらに精度が改善。未成年の検知率96.1%を実現した。また、通知までの時間も入店から即座に検知できる仕組みを構築し、非常に素早い判別が可能になった。
現状、未成年かどうかの確認をどうするかは各店員に一任されれており、その判断も決して容易ではない。混雑時にはすべて確実に判断するというのは現実問題、難しいだろう。AIカメラにより、そのリスクを軽減できるのは店側にとって朗報ではないだろうか。この技術があらゆるフィールドで活用されることを期待したい。
Ciao Camera、AIを活用した年齢認証実験結果を発表! カメラ画像から即座に検知。検知率 96.1%で年齢認定 〜AIのディープラーニングと複数の画像認知で誤検知を縮小〜