文:武者良太
コンビニフードだって怖くない
インバウンド需要が強まってきている日本。そのなかには世界人口の約3分の1、約20億人にのぼるといわれるムスリム(イスラム教徒)の訪日客も増えている。彼らはイスラーム法にのっとった規律を持っており、その1つに食に関するハラール(ハラルとも呼ぶ)がある。
ハラールを端的に表すとイスラーム法で食べることが許されている食材や料理を指すもの。逆に豚肉やアルコールなど、飲食が許されていないものはハラームと呼ぶ。
ハラールなメニューを持つレストランはハラル認証を取得し、それをアピールすることでムスリムの方々が安心して日本を旅できるような環境を提供している。しかしそういった飲食店が日本全国津々浦々に広がっているわけではない。
そこでハラールな飲食店情報が参照できるアプリ「ハラルグルメジャパン」は、NTTドコモが開発した食品判定システムを導入。コンビニやスーパーで販売している食料をアプリから撮影すると、ハラールな食品かどうかを判定してくれる機能が追加された。

撮影を行うと食品のパッケージから原材料をチェック。ハラールな食品はピンク色の枠がつき、その部分をタップすると商品情報を確認できるようになっている。
現時点ではコンビニやスーパーなどの菓子類、スイーツ、おにぎりが対象だが、ユーザーのニーズに合わせて食品の種類・数は増える見込み。
食品メーカーや小売店のインバウンドマーケティングにも活用できるし、もし旅行中のムスリムと出会ったときに食の不安を相談されたら、このアプリの存在を伝えるといいだろう。実はベジタリアン向け飲食店情報にもアクセスできるので、日本人にとっても有効なアプリだ。