EVENT | 2019/01/23

「旅をしながら働く、海外定住でも自分らしく働く」そんな夢のような生活ができる環境はもう整っている

左から、エニグモの須田将啓氏、トラベロコの椎谷豊氏
取材・文:立石愛香 写真提供:株式会社トラベロコ
海外在住日本人...

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左から、エニグモの須田将啓氏、トラベロコの椎谷豊氏

取材・文:立石愛香 写真提供:株式会社トラベロコ

海外在住日本人と海外と関わる日本人をマッチングして、旅の手助けや海外進出の課題を解決するためのサービスを展開している株式会社トラベロコは、昨年12月上旬に東京都内にて、アウトバウンドの魅力を伝えるイベント「THE BRIDGE」を東京で開催した。

イベントの中盤には、トラベロコ代表の椎谷豊氏と、海外ブランド製品を多数取り扱うファッション通販サイトBUYMA(バイマ)を運営する株式会社エニグモ代表の須田将啓氏によるトークセッション「海外×C2C シェアエコで世界の未来をアップデートする」が行われた。今回はその模様をレポートする。

椎谷豊

株式会社トラベロコ 代表取締役社長

大学卒業後ITベンチャー企業やEC会社などでインターネット、ECサイトの運営業務を経験し、WEBコンサルタントとして独立。2007年に旅行情報サイトの日本本社立ち上げメンバーとして参加。2012年から個人プロジェクトとして日本人向け海外プラットフォームTravelocoの企画を開始し、2014年ウェブサイトをオープン。

須田将啓

株式会社エニグモ 代表取締役 最高経営責任者

慶應義塾大学大学院理工学研究科 計算機科学専攻 修士課程修了。2000年博報堂入社。マーケティングプランナーとして、大手企業からベンチャー企業まで幅広い領域のマーケティング戦略、ブランド戦略、コミュニケーション戦略の立案を行う。2004年エニグモを設立。

なぜ今アウトバウンドサービスなのか?

BUYMAは、世界中の商品を購入できるソーシャルショッピングサイトで、世界143カ国に在住する11万人越えの日本人(パーソナルショッパー)が、在庫を持たずに現地で見つけたものをスマホ一つで出品できる。簡単に言えば、自分の店をオンライン上で開くことができるサービスだ。

このBUYMAでのネットワークを利用して、海外旅行者に「現地ならではの体験」を提供するために須田氏が昨年立ち上げた新しいサービスが、BUYMA TRAVEL(バイマトラベル)である。

須田氏は2006年に現地在住のバイヤーに会いにイタリアのパルマを訪れた際、ガイドブックに載っておらず、地元民しか知らない最高のレストランへ案内してもらった経験が、BUYMA TRAVELを立ち上げたきっかけだと話す。

今の時代は「速く・便利」を求めて、ネット検索や通販サービスを利用しがちな分、実際に現地に赴き思いもよらない体験をする「非日常」の価値も高まってきている。加えて海外への移動コストの低下や言語翻訳ツールの進化も目覚ましく、これからさらに気軽に海外旅行を楽しめる下地も整ってきた。

海外で年間5億円を稼ぐ主婦がいる!?

海外サービスを行っている企業のブース

トラベロコのサービスの特徴は、現地に住む日本人の知識・経験を借りながら、自分だけの理想の海外体験を実現できること。例えばワイン好きの利用者とワインに詳しいフランス在住日本人がマッチングして、ワイン尽くしのフランス旅行を楽しむということが簡単に実現できる。実現不可と思い込んでいる海外体験を現地在住者ならではの知識や繋がりが実現させていくのがトラベロコのサービスである。

また、「Uberがタクシー業界に一石を投じ、それによって不適切なドライバーは消え、健全なドライバーが残った。観光業界にもタクシー業界に似た古臭いところがあるので、本当に良いウェブサービスが業界自体を活性化し、これから良いサービスや良い体験ができるはず」と、須田氏は未来の観光業界の希望を語ってくれた。

海外旅行といえば、大半の人が何らかのサービスを受けることを想像するだろう。しかし、トラベロコやBUYMAなどのウェブサービスを活用すれば、自分がサービス提供側にまわり、お金を稼いで生活できるようになる手段や機会もぐっと増える。ここに国を超えた新しい働き方、生き方のヒントが隠れているように感じる。

元々トラベロコが生まれたのは、椎谷氏と付き合いがあった海外在住のライターから「海外で日本人向け仕事をしたくても、そのためのツールが世の中になかった」と相談を受けたことがきっかけだった。

BUYMAを利用している海外駐在員の妻や、現地人と結婚して主婦をしている人の中には、年間5億円を稼いだり、会社を設立した人もいるそうだ。年齢や学歴は関係なく、世界を放浪しながら、自分の持っているスキルで稼ぐことも夢ではない。

…これは、真剣に自分の人生を考えたいところである。

海外で働く敷居をもっと低く、誰もが楽しめるように

会場には、アジア・ヨーロッパ・北米・南米・アフリカの5大料理と、各地のクラフトビールが用意されており、食事を楽しむ姿が見られた。

今後自社のサービスでやってみたいことに関して須田氏は、「ハワイのあらゆることを知っているコーディネーターの知人がいるが、一流の人はその知人に相談している。これを続けるとさらに一流の人が周りに集まってくるようになる。アリババやグーグルの人と会食できるサービスや、特殊な人と出会えるサービスなど、特別な人向けの旅行プランのサービスもいつかやってみたい」と話す。

また、海外にいるBUYMAのパーソナルショッパーは、日本の法律や税務がわからないという人も多いので、納税方法などわからないことについては一からサポートする環境づくりを進め、「クラウドで活動する商社のような存在」を目指したいと今後の目標を述べた。

今回のイベントを主催したトラベロコは、『世界への敷居をもっと低く、誰もが自分の「したい」を叶えられる環境を創る』というミッションを掲げている。

実際に、社員の半分が仕事と休暇を同時に取得する「ワーケーション」という勤務形態をとっており、もちろんリモートワーク制度も完備。仕事場は地球のどこでも自由という「緯度」「経度」にとらわれない働き方を実践しており、働き方改革の最前線で旅好きには羨ましい職場環境である。

今後も、トラベロコがイベントやウェブ上などで形を変えながらも、サービスを展開し、世界を身近に感じ、世界への一歩を踏み出す人を増やしていき、日本を盛り上げてくれることに期待したい。


トラベロコ