CULTURE | 2022/12/22

ポケモンと「日本のわざ」がコラボ 人間国宝らが手がける『ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―』が金沢で開催

文:FINDERS編集部
全て初公開の作品が70点展示
「ポケモン」と「工芸」を、正面切って出会わせたとしたらどんな...

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文:FINDERS編集部

全て初公開の作品が70点展示

「ポケモン」と「工芸」を、正面切って出会わせたとしたらどんな 「かがく反応 」が起きるだろうという問いに、人間国宝から若手まで工芸作家やアーティストが本気で挑んだ展示『ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―』が金沢・国立工芸館で2023年3月21日(火・祝)から6月11日(日)まで開催される。

一見意外な組み合わせである「ポケモンと工芸品」だが、国立工芸館のイベントページによると案外共通するところも少なくないという。例えば、工芸の原材料や製造工程のエネルギーを考えると土や草や金属や、水に炎に電気など、そのままポケモンのタイプといっても通用するという見方もできるうえ、技を磨く、育てる、収集や交換といったシステムも工芸にかける作り手や愛好者の想いと重なっていると捉えるとする。

展示には人間国宝である金工作家の桂盛仁をはじめ、池田晃将、池本一三、今井完眞、植葉香澄、桑田卓郎、小宮康義、城間栄市、須藤玲子、田口義明、田中信行、坪島悠貴、新實広記、林茂樹、葉山有樹、福田亨、桝本佳子、水橋さおり、満田晴穂、吉田泰一郎の総勢20名が参加する。

会場には約70点の初公開作品が並ぶ。

桂盛仁《帯留・ブローチ ブラッキー「威嚇」「眠り」「立ち姿」》

吉田泰一郎《サンダース》

満田晴穂《自在ギャラドス》

展示はそれぞれ3つのテーマに合わせて構成される。

工芸品のさまざまな素材と技法によって醸し出される物質感をテーマにした「すがた ~迫る!~」では、フォルムはもちろん、皮膚や毛並み、しぐさに表情、気配や出現の様相が作品に落とし込まれている。

左 今井完眞《フシギバナ》右 福田亨 《雨あがり》 

「ものがたり ~浸る!~」では、進化や交換のワクワク感。旅の舞台へのあこがれを表現。「効果はバツグンだ!」となった技のインパクトなど、ゲームの世界観を工芸によって表現した作品が並ぶ。

左 城間栄市《琉球紅型着物「島ツナギ」》 右 坪島悠貴 《可変金物 ココガラ/アーマーガア》

日常生活で使用される機能的なものにポケモンを落とし込んだ「くらし ~愛でる!~」では、桝本佳子《リザードン/信楽壷》 や小宮康義《江戸小紋 着尺 「ゲンガー・ゴースト」》などうつわや着物などが展示される。

左 桝本佳子《リザードン/信楽壷》右 小宮康義《江戸小紋 着尺 「ゲンガー・ゴースト」》